翌日。
少しふらつき気味のるなが登校してきた。
隣のクラスからひまりが見つけると、
「あんまり無理したらダメだよ」
ひまりは気がかりでならなかったらしい。
昼休みの学食に行くと誰かに会ってしまいそうで、自販機の麦茶だけ買って飲んでいたが、
「花島、ちょっといいか?」
清正に呼び出された。
図書室まで来ると、
「…今度の週末の六本木の生中継、花島は休ませることにした」
「はい…」
るなは大事な話はそれだと思っていたらしい。
「…で、花島の復帰は紅白。それまでコンディション整えとき」
るなは一瞬フリーズした。
「あとな花島」
清正は可愛らしくラッピングされた小さな紙袋を渡した。
「竹実(香織)から預かり物や」
花島に渡してくれということらしかった。
話は、それで終わりである。