るなは部室と校舎をつなぐ渡り廊下を逸れて、手つかずの雪が積もるグランドに出た。

 仰向けに倒れ込んだ。

 やや間があって部室にいたメンバーが、るなであろう慟哭を聞いた。

「…絶対何か遭った!」

 香織がたまらず駆け出した。

 途中、るなのスマートフォンが落ちていたので、拾い上げた香織がディスプレーを見ると、

「…いくらベタでも、そんなことってあるの…?」

 香織は涙が止まらない。