みな穂の横顔の写真はブライダル情報誌の裏表紙の広告に最終的には掲載されたのだが、
「すごいキレイなモデルが写っている」
と発売日から話題となり、名前も出していなかったブライダル情報誌であるにも関わらず三日で完売し、
「現代に舞い降りた天使」
とTwitterなどで呼ばれるようになり、やがて鮎貝みな穂だと分かると、
「あのスクールアイドルのみな穂部長だって?!」
例の記者会見の件で知っていただけに、余計騒ぎが派手さを増してきた。
最後には、
──雑誌を裏表紙から開かせた女。
という異名までついた。
ノーブルな雰囲気のアイドルが当時あまりいなかったのもあり、長谷川マネージャーへ東京本社から、
「うちの所属にしろ」
と真夜中に連絡が来たほどである。
最初はみな穂は渋っていたが、
「モデルなら学費稼げます」
この誘い文句でみな穂は、最終的にモデル活動をしながら大学へ通うこととなった。