衣装合わせを経て選ばれたドレスは、胸元の少し開いた、デコルテを魅せるタイプのオフショルダーのウェディングドレスである。
「何か恥ずかしいなあ」
みな穂としては、あやめが着ているロイヤルウェディング風のほうが着たかったらしいのだが、
「オフショルダーって、スタイル良くないと着られないんですよ」
カメラ担当の女性カメラマンに言われると、
(まぁ、そんなもんか…)
腑には落ち切らなかったようである。
撮影が始まると、
「やっぱり現役スクールアイドルが着てみせると違うねー」
衣装合わせのブライダル担当と同じことを支配人が言ったので、みな穂は思わず笑ってしまった。
あやめはパーカッショニストらしく楽器を使った撮影となり、
「あっちのほうが綺麗かも」
みな穂は納得がいかない面もあったが、
「プロが良いって言うなら…」
そんな納得のさせ方を自身に落とし込んでみた。