そんな英美里だが、

「英美里ってさ、何か人望だけはあるよね」

 見抜いていたのはあやめであった。

「私はあなたに部長になってもらいたかったから安心した」

 英美里が頼まれた仕事を辛抱強くやり遂げる姿を、あやめは知っていたのである。

「いちばん個性的なメンバーたちだから、逆に英美里でないと無理かも」

「ありがとうございます」

 あやめに深々とお辞儀をすると、英美里はホッとした顔を見せた。