しかしそれなりの苦労もあって、
「白は手入れしとかんとすぐ汚れよるし、しかもあんまりレースつけ過ぎたら、クドくなって下品になるんよ」
たまにツインテールにするシュシュも、レースとリボンで品よくまとめてある。
雪の日だけ許されている帽子も、ニットで編まれた白のつば付きに白い椿の造花を控えめにつけ、
「白に白なら目立たんし、むしろ上品でえぇ」
童顔の広島弁でのんびり話す優子のキャラクターは、
「郷原優子は俺の嫁」
というハッシュタグが出来るほどの人気となった。
しかし。
英美里の件は優子も気にしていたらしく、
「うちも田舎からはえっと(かなり)遠いぃけぇ、多分うちのパパママも心配しよる思うん」
新千歳から飛行機で行けば、その日のうちに帰れるのだが、
「ほじゃけぇ、心配されんでも済むようにしっかりしないけんって」
英美里は実家まだ道内じゃけ、と優子はなぐさめるように言った。