結局、英美里は無事にアイドル部にも学校にも残れた。

「先生、ありがとうございます!」

 英美里が深々とお辞儀をした。

「まぁワイはワイなりに言うただけやけどな」

 いつもの飄々とした清正に戻っていた。

 しかしこれが英美里を変えた。

「私、弁護士になる!」

 次々と知識を楯に、英美里を守ろうとする清正の姿勢を見て、意識が変わったらしかった。

 そうなると英美里は行動が早かった。

 図書館から六法全書の解説書を借りて読み始めたのである。

「武器がなければ見つければいいんだって、先生が示してくれたような気がする」

 英美里は目覚めたようであった。