九月の体育祭、アイドル部はサポートに回る。
今年初めて作られたポスターには、油彩の経験があるだりあの絵が使われた。
このサポートの担当は、アイドル部からするとイベントの裏方を知るには好機であったらしく、
「こうやって椅子運んだり配線運んだりしてると、スタッフさんって大変だよね」
未経験の薫なんぞは言うのだが、
「まるで同人誌の販売の準備しよるみたいじゃ」
アニメ好きでよく同人誌販売をする優子は慣れたもので、テキパキとテントの中の机を組み上げるのだが、それがあまりに早いので「優子棟梁」と英美里が名付けた。
「ああいう子が、うちの部は人気出たりするから分からないんだよね…」
ひまりはそこが不思議でならなかったらしかった。