数日、過ぎた。
茉莉江は部活動の口座の件で銀行に行った帰り、カートを曳いて札幌駅のエスカレーターに乗っている翠らしき姿を見た。
「違うかな?」
すぐに追ったが、見失った。
「…そういや帯広に行くって話してたっけ」
改札の案内板の帯広行はすでに点滅し始めていて、追っても間に合わないことは、茉莉江にも容易に察せられた。
やがて。
案内板の点滅が消えた。
「…向こうでうまく行けばいいけど」
茉莉江は、買い物がある地下街の方へ階段をくだっていった。
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