ともあれ。
このあとの披露宴の参加者にはメンバー全員や保護者、親戚や友人、更には旧華族の団体からの来賓などあって、総勢八十人以上という盛大な披露宴となった。
基本的に北海道の結婚式は会費制で、少なくとも筆者の知る限り五十年前には行われていたとされる。
そのため支払う金額は一定に設定されており、学生には学割もあるので、メンバーも学割設定された八千円を支払っての会食である。
「うちらもいつか結婚するんだろうけど、こんなに来るかなぁ?」
この春卒業したばかりの橘すみれが言った。
すみれは因みに、卒業後すぐ活動の拠点を東京へ移し、事務所も東京本社へ移籍している。
「雪穂ならすぐ見つかりそうだけどね」
同じく春に卒業した隣の宗像千波が答えた。
千波はついでながら、現在は札幌市役所に入り、今のところは研修中である。
余談ながらこの日は有澤雪穂は参加していない。
「まぁグラビア撮影で台湾にいるんじゃ、ねぇ…」
雪穂は在校中から女優業やらグラビアやら露出が多く、この日は半年前から決まっていた撮影で台湾にいた。