長谷川マネージャーに清正が記者会見の題を持ち出すと、

「正直いうと私は反対です」

 まずみな穂が未成年であること、アイドル部のマネジメント事務所の許可を得るまで稟議に時間がかかることを挙げた。

「せやが、部活動は学校活動の一部でもあるしやなぁ」

 清正の論理は、教育者としての所感でもある。

「長谷川さんの意見も一理あるだけに、悩むわなぁ」

 どこか他人事のようでありながら、しかし相手を受け入れつつ主張はする。

 みな穂は二人の論議を聴きながら黙っていたが、

「私が、アイドル部のメンバーとして個人で会見を開くのはダメですか?」

 覚悟のこもった口調である。

「やるのは構わんが、責任取れるか?」

「取ります」

 珍しくみな穂は返答に間を空けなかった。

「よっしゃ、ほんならやったれ。打たれっ放しでは女の子も意地が立たんやろからな」

 責めはワイが負う、というと長谷川マネージャーは渋面をつくりながらも、

「では事務所にはそう伝えておきます」

 と承諾はしたようであった。