日曜日の一般公開日。
恒例の人気投票はだりあとるなが人気であった。
当のるなは、香織とさくらと、あと日焼けも爽やかな、スペインのサッカーチームのレプリカユニフォームを着た好青年と、何やら話し込んでいる。
「誰?」
優子が誰何した。
「あ、紹介するね。るなの幼なじみの花山駿平くん」
「花山です」
折り目正しく駿平は挨拶した。
「彼ね、保育園からるなとすごく仲いいんだ」
香織が冷やかすように言うと、
「ち、違うってば!」
るなは必死になって、首筋まで真っ赤にした。
ステージのトークライブは、だりあがみな穂を指名した。
「かねがねみな穂パイセンに訊きたかったんですけど」
と、アイドル部の裏話になった。
みな穂が加入した、まだ今みたいな人気ではなかったその頃からアイドル部は、今のようにメンバー主体で話し合ってルールを定めたり、物事を決めていた舞台裏を明かした。
「なので先生は出しゃばらないけど、でもお金についてのハンコは捺してくれる」
お金の話題になってドッとウケた。
「同好会のときはお金とか大変だったんだけど、グッズとか売ったし、最初のシングルなんかは手売りしたこともあったみたい」
知られざる話が出たりして、なかなかレアな内容が展開された。
大人びた雰囲気のみな穂はなぜか国内よりアジア圏で人気があり、この日は台湾から遠征に来たファンがみな穂とツーショットにおさまったりもした。