その頃。

 部室のパソコンの前では、メンバーたちが澪や美波、千波たちと集まって、全日本文芸大賞の結果の生中継が始まるのを待っていた。

「藤子ちゃん、どうなるんだろ?」

 すでにライトノベル部門は受賞し、最優秀女流作家賞も受賞が決まっていた。

「これでグランプリ取ったら三冠だよ?」

 午後六時、発表会見が始まった。

 会見では準大賞二作とグランプリが発表される。

 みな、一気に水を打ったあとのごとく静まり返って、耳をパソコンのスピーカーに向けていた。