初雪の日、るなは朝練で走り込んでいる萌々香を見た。

「走るのは苦手で…」

 と言っていた萌々香だが、可愛らしいニットの帽子をかぶり、ピンクのスニーカーを履いてひたすらグランドを周回している。

 近づいてきた。

「るな先輩おはよーございます!」

 響き渡るような声で挨拶をしてきた。

「おはよー」

 るなも返した。

 るなは国立を最後の舞台にするつもりでいたらしいが、

(これで、どうにか火を絶やさずに済みそう)

 るなは達成感が湧いてきたらしい。