体育祭を直前に控えた八月末の月曜日、英美里は部員全員を放課後の部室に集めた。
「私ね、部長を辞めることにした」
その代わり、と英美里は、
「この場で新しい部長を決めて、そのまま次の代へ引き継ごうと思う訳ね」
要は代替わりの前倒しである。
「私には背負わなきゃならないものがある。それを新しい部長に背負わさないためにも、今決める」
英美里なりに考え抜いて、決断したことらしい。
早速一年生三人と二年生五人分、計八本のくじを作って、部長を選ぶくじ引きが始まった。
まず二年生は、ジャンケンで決まった薫から引き始めた。
「ハズレ」
その後は翔子、だりあ、さくら、ひかるとハズレを引いた。
「次は一年生ね」
菜穂子、由梨香とハズレを引いた。
「…里菜、一応引いて」
残り一本で当たりしかないはずだが、念のために里菜が当たりを引いて、里菜が鮎貝みな穂以来の一年生部長となった。
副部長は、由梨香が引いた。