優子は萌々香の件は、体験レッスンに来たら話そうと考えていたらしい。
「まずあのブートキャンプをどう見るかやったし」
優子は美波のレッスンをブートキャンプと名付けていた。
「そんなにきつい?!」
「うん、ホンマ言うたらブチたいぎい(しんどい)」
美波に本音をぶつけて、返事に窮させてしまう。
もっとも、そうやって面と向かって言うから優子は頼もしがられてもいた。
「あの美波先輩にあそこまで言えるのは優ちゃんぐらいよね」
小心な面のあるひかるには言えない。
「別に、たいぎいけぇたいぎぃ言うただけじゃし」
嘘はついとらんよ、と優子はシレッとした顔で言った。