翌朝、ひまりは理一郎からの髪留めを、いつも髪を留めてある後頭部へ留めてみた。

 鏡で見てみると華やかで、普段使いには難しい。

「ひまりおはよー」

「あ、ダーリャおはよ」

 だりあは髪留めに気づいた。

「買ったの?」

「ファンから誕生日プレゼントでもらった」

 ひまりは咄嗟に小さな嘘をついた。

「かわいいじゃん」

「ありがと」

 その後ひまりは髪留めをポーチにしまい込んで、しばらく出すことはなかった。