しかし、と長谷川マネージャーは、

「国立は倍率高いですよ…」

「そんなん知っとるがな。そこを何とか頭使うんが、外部マネージャーさんの仕事なんとちゃうん?」

 こんなときの翔子は、下手な大人より手厳しい。

「うちらだけでどうにもならんようなことをサポートしてもらうための外部マネージャーやろ? する気がないなら、うちが今から東京行って掛け合うからアンタ要らんわ」

 そのまま翔子が椅子を立ったので、さすがに長谷川マネージャーが慌て、

「…分かりました、照会はしておきます」

 長谷川マネージャーは気負けしたような顔をし、フーッと深い息をついた。