アイドル部へ加入するには条件があり、これは人気が出始めたときに当時の生徒会長であった瀬良翠の一件、通称瀬良事件があって決められたルールとして、まずは成績でオール三以上、あとは歌唱力やダンスをチェックし、その後何らかの一芸があればそれを見て点数化して最終選考を決める──という、実に明快な基準があった。
これでだいたい十人前後まで絞り込み、最後は体力チェックで上位五人だけを加入とする…といった、さながら甲子園の常連高のようなテストが行われる。
ただ実際、五人必ずしも入れる訳ではなく、場合によっては基準に満たないとされたときには、三人なり二人なりと入る人数は減る。
これは敢えて人数を減らすことでレベルの低下を防ぐ、という布石でもある。
そうやって選ばれているので、メンバーたちは基本的に能力は高く、
「下手なオーディションより厳しいかも」
とのちにだりあが語ったほど、基礎のしっかりしたメンバーが集まっていた。