ドラマでしか見たことのないような、救命センターの大きなドアが開いて、ベッドに寝ているけんたくんが病室へと運ばれていった。

「あ、あの、大丈夫なんですか…?」

「低体温症ですね。詳しいお話はそちらで」

そう言って、診察室に通された。

「あなたは…お母様ですか?」

「いえ、迷子になってるところをたまたま見かけた通りすがりの者です」

「そうでしたか。ずいぶん長い時間雨に当たっていたようで、低体温症になっていたのですが、今はもう体温は回復していますので、すぐに目が覚めると思いますよ」

「ほんとですか!よかった…」