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「わあ……すごい!」

 結婚式から五日経って、次の金曜日。スエット生地のロングスカートとトレーナーに着替えて塩見くんの部屋に行くと、すでにローテーブルの上には宅飲みの準備ができていた。
 いや、これは、宅飲みというよりはパーティー?

「テレビコマーシャルで見たやつみたい! これって、クラッカーのカナッペ?」
「はい。自分で好きな具材を載せて食べるスタイルです」

 テーブルの上にはプレーンクラッカーと、小皿に盛られたたくさんのトッピングが用意されている。真ん中にぽっかりと隙間があるのが気になるが。

「ひとりでここまで準備するの、大変だったでしょう」
「そんなことないですよ。具材は何日か前から作り置きしていたんです。今日はシャンパンを持ってくるって、事前にメールで聞いていたので」
「そうなの。結婚式の二次会で当たって……。シャンパンのおつまみってどんなのを用意するのか想像できなかったんだけど、こういうのが合うのね」
「シャンパンって、食前酒ですからね。軽めのもののほうが合うんですよ。味わいもすっきりしていますし」
「そういえば、乾杯のときに飲むイメージね」

 クッションに腰を下ろし、シャンパンを箱から出す。