「あー、ほんと、いろいろあったけど、いい式だったな~」
駅までの道を、ふわふわした気持ちで歩く。高木さんたちと鉢合わせしないよう裏道を選んだから街灯が少なくて、夜空もアスファルトの舗道も、同じ濃紺に染まっていた。
「ね、ブーケをキャッチできたんだからさ、次に結婚するのは私ってことだよね?」
うきうきしながら後ろを歩いていたふたりを振り返ると、にやり、と意地悪そうな笑みを返された。
「さあ、どうだろうね。干物女のままだと、まだまだ先かもしれないよ」
「でも充希が自分からバラすなんて珍しいね。私たちにも隠してたくらいだったのに」
ああ、そうだった、ふたりにもさっきの会話が聞かれていたんだ、という焦りと、ちょっと待て、『私たちにも隠してた』ってことは……?という驚きが同時に襲ってくる。
「まさか、ふたりとも、気づいてたの?」
冷や汗が噴き出て、声がひっくり返る。
「当たり前じゃん。何年一緒にいると思ってるのよ」
「大学のとき、お財布なくしたーってジップロックにお金を入れてきたときから、充希が干物女なのは気づいてたよ」
駅までの道を、ふわふわした気持ちで歩く。高木さんたちと鉢合わせしないよう裏道を選んだから街灯が少なくて、夜空もアスファルトの舗道も、同じ濃紺に染まっていた。
「ね、ブーケをキャッチできたんだからさ、次に結婚するのは私ってことだよね?」
うきうきしながら後ろを歩いていたふたりを振り返ると、にやり、と意地悪そうな笑みを返された。
「さあ、どうだろうね。干物女のままだと、まだまだ先かもしれないよ」
「でも充希が自分からバラすなんて珍しいね。私たちにも隠してたくらいだったのに」
ああ、そうだった、ふたりにもさっきの会話が聞かれていたんだ、という焦りと、ちょっと待て、『私たちにも隠してた』ってことは……?という驚きが同時に襲ってくる。
「まさか、ふたりとも、気づいてたの?」
冷や汗が噴き出て、声がひっくり返る。
「当たり前じゃん。何年一緒にいると思ってるのよ」
「大学のとき、お財布なくしたーってジップロックにお金を入れてきたときから、充希が干物女なのは気づいてたよ」