「あの、なにか……?」
「もしかして、充希ちゃんってお酒弱い? それ、ノンアルコールカクテルでしょ。バーテンの人に教えてもらったんだ」

 私の頼んだシャーリーテンプルは、ザクロのシロップをジンジャーエールで割ったかわいらしいカクテルだ。ノンアルコールなのも間違いない。

 ただ、高木さんの質問はまったくの見当はずれだった。新郎新婦を赤い顔で出迎えるのもなんだかな、と思ったからノンアルコールカクテルを挟んだだけだ。

「そんなことなくて……」

 お酒には強いです、と言いそうになってやめる。私はお酒は好きだけれど、人並みに酔うし、強いわけではない。ザルなんて呼ばれている人種には到底追いつけない。
 もし『強い』なんて言ったら、すごくたくさん飲めるって期待させてしまうかも。こういう場合は、なんと説明したらいいのだろうか。

「えっと……」
「やっぱり。見た目がフェミニンで女性らしい感じだから、お酒に弱そうだなって思ってたんだ」

 口ごもっていたら、高木さんは勝手に解釈してしまったようだ。