「あれ。先輩がいきなり枝豆にいくの珍しいですね。唐揚げもあるのに」
隣に座っていた久保田が、あつあつのピザを頬張りながら首をかしげた。
「うん。最近、枝豆のおいしさに目覚めて」
塩見くんが作ってくれた焼き枝豆がおいしかったから、最近私の中で枝豆需要が上がっていたのだけど……。
食べた枝豆は、茹でたものを作り置きしていたらしく、冷めきっていた。
「いまいち……。というか、ぬるい」
あつあつの焼き枝豆を、指をやけどしそうになりながら夢中で食べたあの日の記憶が、しょんぼりとしぼんでゆく。
私の感想を聞いて「えー?」と眉根を寄せた久保田が、枝豆をひとつ取って食む。
「別に、普通の枝豆じゃないですか。先輩、どんだけ枝豆に期待してたんですか」
「……塩見くんの作ってくれた枝豆は、もっとおいしかった」
ぽろっと口から出てしまった本音に、言い終えてからぎょっとする。まだビール一杯目だし、酔ってもいないのに。
「え? なんの枝豆って言いました?」
「な、なんでもない」
不注意に塩見くんとのことがバレたら面倒だから、絶対に隠しておきたいのに。気が緩むと口から出てしまうほど、塩見くんとの金曜日が私の生活の中で当たり前になってきているのだろうか。
隣に座っていた久保田が、あつあつのピザを頬張りながら首をかしげた。
「うん。最近、枝豆のおいしさに目覚めて」
塩見くんが作ってくれた焼き枝豆がおいしかったから、最近私の中で枝豆需要が上がっていたのだけど……。
食べた枝豆は、茹でたものを作り置きしていたらしく、冷めきっていた。
「いまいち……。というか、ぬるい」
あつあつの焼き枝豆を、指をやけどしそうになりながら夢中で食べたあの日の記憶が、しょんぼりとしぼんでゆく。
私の感想を聞いて「えー?」と眉根を寄せた久保田が、枝豆をひとつ取って食む。
「別に、普通の枝豆じゃないですか。先輩、どんだけ枝豆に期待してたんですか」
「……塩見くんの作ってくれた枝豆は、もっとおいしかった」
ぽろっと口から出てしまった本音に、言い終えてからぎょっとする。まだビール一杯目だし、酔ってもいないのに。
「え? なんの枝豆って言いました?」
「な、なんでもない」
不注意に塩見くんとのことがバレたら面倒だから、絶対に隠しておきたいのに。気が緩むと口から出てしまうほど、塩見くんとの金曜日が私の生活の中で当たり前になってきているのだろうか。