取り皿にある、シソやキムチの鮮やかな色がほんのり透けている三色餃子。私は醤油と酢を混ぜたタレに、まずはニンニク餃子をつけて口に運ぶ。

 歯を立てた瞬間、表面の焼き目がパリッと音を立てた。そして口の中にジューシーな肉汁がじゅわっとあふれ出す。

「んんっ、お、おいしい……!」

 私が焼くとべちょべちょになる餃子は、焦げ目ぱりぱりの上半分もちもちで、プロが焼いたみたいだった。

「すごいわ、ラーメン屋さんで食べた餃子よりおいしいかも……! あっ、シソ餃子も風味がすごい……!」

 包んでいたときは『肉に対して量が少ないかも』と感じていたシソだったけれど、食べると爽やかな風味がふっと鼻に抜ける。

「キムチ餃子はこれ、まずいわね……。飲み始めたばっかりでもご飯がほしくなっちゃう」

 キムチが入っているぶん味も濃い目で、キムチのしゃきしゃきとした食感が楽しい。ここに白米があったらどんどんご飯が進んでしまうおいしさだ。

「おいしい、おいしい」と騒ぎながら食べる私を、塩見くんはお箸を上品に使いながらにこにこ眺めている。