「よし、完成です」

 トレイにずらっと並んだ焼く前の餃子は、皮からそれぞれの色が透けてとてもキレイに見えた。茶色と緑と、赤の餃子。

「先輩、どうせなら焼きたてを食べたいですよね。ホットプレートを持っていくので、テーブルで飲みながら焼きましょう」
「な、なにそれ、最高……」

 そうしてホットプレートを用意して焼く準備を整えたのだが、テーブルについた塩見くんの手元に用意されたのは、ジンジャーエールだった。

「塩見くん、お酒飲まないの?」
「僕、アルコールに弱くて飲めないんですよ。付き合えなくてすみません」
「それはいいんだけど……、自分は飲めないのに誘ってくれたの?」

 目の前にあるのは、いかにもビールのために用意された焼き枝豆と三色餃子だ。お酒を飲めない塩見くんがなぜ、こんなにも酒飲みの心をくすぐるおつまみを作れるのだろう。

 その答えはすぐに、塩見くんがくれた。