「……わかった、やってみる。そのかわり失敗するかもしれないけどいい?」
「大丈夫です。形が歪でもちょっとくらい皮が破れても、焼けばおいしく食べられますから」
そのフォローの仕方はどうなんだろう、と思いつつ塩見くんとおそろいのエプロンを着ける。しっかり手を洗ってから、塩見シェフのレクチャーを受けた。
「この餃子の皮の端っこに水をつけて、こうやってたたむ感じで包んでください。具はあまり入れすぎると皮が破れるのでほどほどに」
「む、難しいわね……」
塩見くんは次々に美しい餃子を完成させていくのに、時間をかけて包んだ私の餃子のほうが不恰好だ。塩見くんのほうは折り目が細かくて並行なのに、私のは子どもの粘土細工みたい。
「先輩、折りたたむのは餃子の上部分だけのほうが見栄えよくできますよ。今は二枚分重ねてたたんでいるので……」
「え、どういうこと?」
「ええと、待ってくださいね。こうやって……」
塩見くんが急に身体を寄せて、私の包んでいる餃子に手を伸ばしてきた。一瞬、手と手が触れてドキッとする。
「大丈夫です。形が歪でもちょっとくらい皮が破れても、焼けばおいしく食べられますから」
そのフォローの仕方はどうなんだろう、と思いつつ塩見くんとおそろいのエプロンを着ける。しっかり手を洗ってから、塩見シェフのレクチャーを受けた。
「この餃子の皮の端っこに水をつけて、こうやってたたむ感じで包んでください。具はあまり入れすぎると皮が破れるのでほどほどに」
「む、難しいわね……」
塩見くんは次々に美しい餃子を完成させていくのに、時間をかけて包んだ私の餃子のほうが不恰好だ。塩見くんのほうは折り目が細かくて並行なのに、私のは子どもの粘土細工みたい。
「先輩、折りたたむのは餃子の上部分だけのほうが見栄えよくできますよ。今は二枚分重ねてたたんでいるので……」
「え、どういうこと?」
「ええと、待ってくださいね。こうやって……」
塩見くんが急に身体を寄せて、私の包んでいる餃子に手を伸ばしてきた。一瞬、手と手が触れてドキッとする。