「ん、んん~っ、おいしい……!」
さやに絡まった、にんにくとごま油の香ばしさが、口の中で枝豆と絡み合う。あとからピリリとくる辛味がアクセントになって、食べる手が止まらない。塩加減も最高。ちょっと濃いめに味付けしてあるけど、さやを食べるわけじゃないからちょうどいい。
「枝豆って、炒めるだけでこんなにビールと合うのね。今まで枝豆のこと、ほかの注文が来るまでのつなぎで頼むおつまみだと思っていたけど、これ、メインで食べたいくらいおいしいわ!」
料理中の塩見くんに聞こえるくらいの声で感想を叫ぶと、「ありがとうございますー」という間延びした返事が返ってきた。
なにこれ。BGMがなくてひとりでも、待っているだけでこんなに楽しいのって初めて。キッチンから聞こえてくる料理の音、香り、塩見くんの動きを追っているだけで飽きない。
ボウルでなにかをこねていた塩見くんが、「日向先輩、こっちに来て手伝ってもらえますか?」と私を呼んだ。
「はーい、今行く」
油でテカテカになった唇と手をティッシュで拭いて向かうと、カウンターにはボウルが三つ並んでいた。中身はどれも挽き肉みたいだけど、色がちょっとずつ違う。
さやに絡まった、にんにくとごま油の香ばしさが、口の中で枝豆と絡み合う。あとからピリリとくる辛味がアクセントになって、食べる手が止まらない。塩加減も最高。ちょっと濃いめに味付けしてあるけど、さやを食べるわけじゃないからちょうどいい。
「枝豆って、炒めるだけでこんなにビールと合うのね。今まで枝豆のこと、ほかの注文が来るまでのつなぎで頼むおつまみだと思っていたけど、これ、メインで食べたいくらいおいしいわ!」
料理中の塩見くんに聞こえるくらいの声で感想を叫ぶと、「ありがとうございますー」という間延びした返事が返ってきた。
なにこれ。BGMがなくてひとりでも、待っているだけでこんなに楽しいのって初めて。キッチンから聞こえてくる料理の音、香り、塩見くんの動きを追っているだけで飽きない。
ボウルでなにかをこねていた塩見くんが、「日向先輩、こっちに来て手伝ってもらえますか?」と私を呼んだ。
「はーい、今行く」
油でテカテカになった唇と手をティッシュで拭いて向かうと、カウンターにはボウルが三つ並んでいた。中身はどれも挽き肉みたいだけど、色がちょっとずつ違う。