「そうなの!? ……でも、そもそも私、あなたのこと知らないし」
「あ、そうですよね。自己紹介が遅れてすみません」
彼は仕事用の鞄から名刺入れを取り出すと、スマートな動作で私に名刺を差し出した。
「営業部の塩見優翔です。入社二年目です」
ということは、今年二十四歳か。私の四つ年下だ。顔立ちは確かに若いけれど、雰囲気や話し方は同世代よりぐっと落ち着いているかも。
「あ、ありがとう。えっと、塩見くんはなんで私のことを?」
「そりゃあ、日向先輩は有名人ですから。美人で仕事もできるすごい先輩がいるって、新人のころに教えてもらいました。社内で先輩を知らない人はいないんじゃないですか?」
「そうだったの?」
初対面の後輩にまで名前と顔を知られているとは思わなかったけれど、褒められて悪い気はしない。
「あ、そうですよね。自己紹介が遅れてすみません」
彼は仕事用の鞄から名刺入れを取り出すと、スマートな動作で私に名刺を差し出した。
「営業部の塩見優翔です。入社二年目です」
ということは、今年二十四歳か。私の四つ年下だ。顔立ちは確かに若いけれど、雰囲気や話し方は同世代よりぐっと落ち着いているかも。
「あ、ありがとう。えっと、塩見くんはなんで私のことを?」
「そりゃあ、日向先輩は有名人ですから。美人で仕事もできるすごい先輩がいるって、新人のころに教えてもらいました。社内で先輩を知らない人はいないんじゃないですか?」
「そうだったの?」
初対面の後輩にまで名前と顔を知られているとは思わなかったけれど、褒められて悪い気はしない。