「明日はお弁当の用意ができないから何か買って食べてね」と親に言われた。そういうこともたまにではあるがあった。親だって
必ず毎日お弁当を作れるわけはないし仕方のないことだと思っていた。俺はわかったよ、とだけ返事して親からお金を受け取った。
学校に購買があるのでそこで何かを買え、ということらしい。たまにであれば購買で何かを買うのも悪くはないよな、なんて
思っているとはるから連絡がきた。世間話でも細かく連絡は取っているので俺もなんとなく「明日のお昼ご飯は購買で買うんだ」と
伝えた。するとはるから「明日はお昼休みになったら私の教室に来て」と連絡があった。俺はなんでだ?と思った。購買は割と
混むので早く行った方がいい。だがはるがわざわざ教室へ来てくれと言っているのだから何かあるのかもしれない。もしかしたら
俺の知らない購買での裏技的な方法があるのかもしれないな、と思い俺はわかったとだけ返事をしてその日は眠りについた。
そして翌日、昼休みになったのではるの教室へと向かった。どんな方法で購買からうまく買えるのかな、なんて思っていると
はるを見つけたので「はる」と声をかけた。するとはるが「亮介、こっちこっち」と言って空いている教室へと案内してきた。
なんだ?ここに何かあるのか?と思って教室へ入るとはるが「今日は購買でご飯買わなくていいからね」と言ってきた。ん?と
思っていると「はい、これ。作ってきたの。おいしくなかったらごめんね」と言ってお弁当を渡してきた。俺はわけがわからなく
なった。嬉しさはもちろんあるがなんで?という思いがたくさんあった。だが彼女なんだから当たり前か?いや、当たり前だと
思うのは良くないことだな、なぜこんな誰もいないような教室で?自分の教室でいいじゃないかなどと思っているとはるが
「たまには彼女っぽいことをしてみたかったの。だけど教室じゃ恥ずかしくて渡せなかったから」と言ってきた。色々と納得は
したが嬉しく思ったので「ありがとう。すごく嬉しい」とシンプルに伝えた。はるは「でもおいしくないかもよ?ごめんね」と
言ってきた。味なんて正直に言ってどうでもいいのだがそれでも実食あるのみだと思いお弁当を開けてみた。お弁当の中身は
厚焼きの卵焼きとウインナー、それに小さめのポテトサラダなどが入っていた。すごいな、これを朝から作ったのかと思ったが
ここで少しだけからかいたくなってしまい「すごいね、これをはるのお母さんが作ったの?」と言った。はるは「お母さんが作る
わけないじゃない。私が作ったんだよ。そんなこと言うなら食べなくていいよ」と言ってお弁当を取ろうとしてきたので
「ごめんって。冗談だよ。ありがとうね、いただきます」と言って俺はお弁当を食べ始めた。おかずを一品ずつ食べてみるが
はっきり言ってめちゃめちゃうまい。なんというか俺の好みにあった味付けだった。濃すぎず薄すぎない味付けに加えてそもそも
俺は卵が好きなので厚焼き玉子焼きは少しテンションが上がっていた。とはいえ好きな食べ物だからおいしいというわけではなく、
本当にぴったり自分に当てはまるような味付けだったのだ。はるが心配そうに「どう?」と聞いてきた。俺はお弁当を食べている
間何も声を発していなかったらしい。「はっきり言って」と言った。はるの顔がより心配そうになっている。「はっきり言って
めちゃめちゃうまい」と言った。はるの顔が一瞬ぱっと明るくなったあとに「もしかして、私に気を遣ってる?おいしくなかったら
おいしくないって言ってよ?」と言ってきた。俺は「確かにこういう時に気を遣うのは俺によくあることなのかもしれないけど、
事実なんだからしょうがないじゃん。控えめに言って最高だよ。控えずに言ったら最高かな」と言った。はるはすごくほっとした
顔をして「良かった」と言った。なので俺は「俺の親が作るお弁当よりはるかにおいしいよ。こんなお弁当だったら毎日食べたい
くらいだな」と言った。はるが「え?それってつまり?」と言ってきた。あ、これでは俺が毎日お弁当を作ってくれと催促している
みたいになっちゃうかな、と思い「あ、違うよ。毎日作ってくれって言ってるわけじゃないからね」と言った。するとはるは
クスクスと笑って「そういうことじゃないのに、もう。気づいてないならいいけどね」と言ってきた。俺はよくわからなかった。
必ず毎日お弁当を作れるわけはないし仕方のないことだと思っていた。俺はわかったよ、とだけ返事して親からお金を受け取った。
学校に購買があるのでそこで何かを買え、ということらしい。たまにであれば購買で何かを買うのも悪くはないよな、なんて
思っているとはるから連絡がきた。世間話でも細かく連絡は取っているので俺もなんとなく「明日のお昼ご飯は購買で買うんだ」と
伝えた。するとはるから「明日はお昼休みになったら私の教室に来て」と連絡があった。俺はなんでだ?と思った。購買は割と
混むので早く行った方がいい。だがはるがわざわざ教室へ来てくれと言っているのだから何かあるのかもしれない。もしかしたら
俺の知らない購買での裏技的な方法があるのかもしれないな、と思い俺はわかったとだけ返事をしてその日は眠りについた。
そして翌日、昼休みになったのではるの教室へと向かった。どんな方法で購買からうまく買えるのかな、なんて思っていると
はるを見つけたので「はる」と声をかけた。するとはるが「亮介、こっちこっち」と言って空いている教室へと案内してきた。
なんだ?ここに何かあるのか?と思って教室へ入るとはるが「今日は購買でご飯買わなくていいからね」と言ってきた。ん?と
思っていると「はい、これ。作ってきたの。おいしくなかったらごめんね」と言ってお弁当を渡してきた。俺はわけがわからなく
なった。嬉しさはもちろんあるがなんで?という思いがたくさんあった。だが彼女なんだから当たり前か?いや、当たり前だと
思うのは良くないことだな、なぜこんな誰もいないような教室で?自分の教室でいいじゃないかなどと思っているとはるが
「たまには彼女っぽいことをしてみたかったの。だけど教室じゃ恥ずかしくて渡せなかったから」と言ってきた。色々と納得は
したが嬉しく思ったので「ありがとう。すごく嬉しい」とシンプルに伝えた。はるは「でもおいしくないかもよ?ごめんね」と
言ってきた。味なんて正直に言ってどうでもいいのだがそれでも実食あるのみだと思いお弁当を開けてみた。お弁当の中身は
厚焼きの卵焼きとウインナー、それに小さめのポテトサラダなどが入っていた。すごいな、これを朝から作ったのかと思ったが
ここで少しだけからかいたくなってしまい「すごいね、これをはるのお母さんが作ったの?」と言った。はるは「お母さんが作る
わけないじゃない。私が作ったんだよ。そんなこと言うなら食べなくていいよ」と言ってお弁当を取ろうとしてきたので
「ごめんって。冗談だよ。ありがとうね、いただきます」と言って俺はお弁当を食べ始めた。おかずを一品ずつ食べてみるが
はっきり言ってめちゃめちゃうまい。なんというか俺の好みにあった味付けだった。濃すぎず薄すぎない味付けに加えてそもそも
俺は卵が好きなので厚焼き玉子焼きは少しテンションが上がっていた。とはいえ好きな食べ物だからおいしいというわけではなく、
本当にぴったり自分に当てはまるような味付けだったのだ。はるが心配そうに「どう?」と聞いてきた。俺はお弁当を食べている
間何も声を発していなかったらしい。「はっきり言って」と言った。はるの顔がより心配そうになっている。「はっきり言って
めちゃめちゃうまい」と言った。はるの顔が一瞬ぱっと明るくなったあとに「もしかして、私に気を遣ってる?おいしくなかったら
おいしくないって言ってよ?」と言ってきた。俺は「確かにこういう時に気を遣うのは俺によくあることなのかもしれないけど、
事実なんだからしょうがないじゃん。控えめに言って最高だよ。控えずに言ったら最高かな」と言った。はるはすごくほっとした
顔をして「良かった」と言った。なので俺は「俺の親が作るお弁当よりはるかにおいしいよ。こんなお弁当だったら毎日食べたい
くらいだな」と言った。はるが「え?それってつまり?」と言ってきた。あ、これでは俺が毎日お弁当を作ってくれと催促している
みたいになっちゃうかな、と思い「あ、違うよ。毎日作ってくれって言ってるわけじゃないからね」と言った。するとはるは
クスクスと笑って「そういうことじゃないのに、もう。気づいてないならいいけどね」と言ってきた。俺はよくわからなかった。