はると一緒に帰っているときのこと。「亮介のことを好きになってなかったらどうなってたのかな」と突然はるがつぶやいた。
俺は意味がわからなかった。なぜそんなことを思うんだ?と思い「そりゃ今の生活から俺がいなくなるってことだろうけど、
どうしたの?」と聞いてみた。はるは「ううん、ふとそう思っただけ。人と付き合うってやっぱり人生においては結構重要な
イベントだからさ、あ、勘違いしないでね、亮介のことは一切の淀みもなく大好きだからね」と笑っていた。まぁそういうことなら
別にいいが、と思いつつ「俺もはるに告白されてなかったら色々変わってただろうな」と言った。はるは笑いながら「何がどう
変わってたんですか?教えてくださいよ先輩」と付き合ってからは呼ばなくなった先輩という呼び方で呼んできた。なので俺は
「物事って言うのはやっぱりタダでってわけにはいかないよな。つまり俺が言った後にはるも言ってくれるってことだよな。
えっと俺がはると付き合って変わったのは・・・」と言ったところではるが「ストップストップ!じゃあ言わなくていいよ!」と
慌てて止めてきた。俺は笑いながら「自分が言いたくないことを人に言わせようとするのは良くないぞ」と言った。はるは
「ごめんね。私のこと嫌いになった?」と聞いてきたのでそれに対して吹き出してしまった。はるが心配そうに「なんで笑うのよ」
と言ってきたので「ごめんね。あまりにもありえないことを聞かれたからつい笑っちゃったよ。そんなことではるのことを
嫌いになるくらいだったらとっくの昔に嫌いになってるっての」と言った。はるはそれを聞いて少し安心したような顔をしたあと、
笑いながら「そうかもね。これからも末永くよろしくお願いします」と言ってきた。「俺の方こそよろしくね。一応だけど一生
愛するつもりではいるからね」と言った。はるは「そこはびしっとかっこよくお前のことを一生愛するぞ!って言ってよ」と
言ってきたので俺は「よし、それじゃあ」と口を開こうとしたらはるが「あー、やっぱいいや!恥ずかしすぎるからなしね!」と
言って止めてきた。俺は笑いながら「今日はよくカットされるな」と言ったらはるは「そりゃ、バスケ部ですからね」と言って
きた。こんなことを話しながらその日は終わった。そして家に帰って少し考えてみた。はるが俺のことを好きじゃなかったら
どうなっていたのか。今のように二人で一緒に帰ることはなかっただろうし、体育祭で怪我をした時もあんな風に手当てして
くれなかっただろう。俺は部活を引退した時は少し寂しい気持ちがあったが、はるからの告白で全て吹き飛んだ。思えばすごく
助けられているな、と思った。そんな俺がはるに「好きになってなかったら」なんて言葉を吐かせてしまったこと自体が良くない
ことなんじゃないかと思った。不安に思わせるような言動がなかったか振り返ってみるが思い当たる節はない。好きな気持ちは
きちんと伝えてきたし、一緒にいる時間も大切にしている。単にふと思っただけなのかもしれないがそれが良くないことだと
自分を責めた。だがこういう時にどうしたら良いかがわからない。俺は恋愛に関してはエキスパートなわけはないので
スマホで検索してみた。だが有効な手段が見つからない。それもそのはずで愛の証明方法なんて決まっているはずがないのだ。
なので俺は自分なりに考えた方法を取ることにした。別に釣るつもりはないがプレゼントとかどうだろうか。だがいいものがない。
何かないかと部屋の中を探しているとふと目についたものがあった。それは俺がカバンにぶら下げていたバスケットボールの
キャラクターがデザインされたキーホルダーだ。バスケットに対して思い入れがないわけではないが、もう部活を引退したのだし
まだ現役であるはるに渡した方がキーホルダーも喜ぶかもしれない、それにこれではるが喜んでくれたなら最高だと思い、明日
キーホルダーを渡すことにした。そして翌日のこと。俺はカバンの中にキーホルダーをしまって学校へと向かった。放課後には
はるに渡すんだという強い気持ちと一緒に。そして授業は淡々と終わり、放課後になった。今日は部活が休みの日なのではるの
教室へ向かった。そしてはるを見つけて「一緒に帰ろう」と声をかけた。そして一緒に帰っていたときにはるが「今日はまだ
早いからどこかで少し話していかない?」と言ってきた。いつもならこの流れでカフェに行ったりするのだが今日はその前に、
という思いがあったので俺は「それは良いんだけどね」と言った。はるは不思議そうな顔をして「なあに?」と言ってきたので
「昨日さ、俺のことを好きになってなかったらどうなってたかなって言ってたじゃん」と言った。はるは「うん、言ったけど・・・
もしかして嫌だった?」と言ってきたので俺は「いや、なんていうのかな。そんなことを言わせちゃったことが悪かったなって
思ったんだよ」と言うとはるは「私が勝手に思っただけなんだから気にしなくていいのに」と返してきた。なので俺は「そうかも
しれないけどさ、俺のことを好きじゃなかったら、なんて思わせないようにしようと思って・・・いや、俺のことをもっと好きで
いてもらおうと思って、これ」と言ってはるにキーホルダーを渡した。そしてはるに向かって「俺がずっと使ってたものでごめん。
それと昨日はしっかり言えなかったけど・・・。お前のことを一生愛するぞ、はる」と言った。はるはキーホルダーを受け取ろうと
しなかった。なので俺は「あれ?嫌だった?」と声をかけるとはるの目から涙が出ていることに気づいた。俺は混乱してしまい
「ごめん!そんなに嫌だったんだね。また今度新しいものを用意するから!」とキーホルダーを下げようとしたところではるに
キーホルダーを奪われた。そしてはるは「うれし泣きって言葉を知らないの?もう」と言ってきた。え?泣くほど嬉しかったって
ことか?と思っていると「こんな気持ちにさせてくれた亮介のことを好きになれて私は幸せです!」と言ってきた。なので俺は
「不器用な俺の気持ちを受け取って喜んでくれるはると付き合えて幸せです」と言った。するとはるが「あ、昨日言ってたこと?
私が言ったから何か返さなくちゃって思ったの?」と言ってきたので俺は「そんなことを考えている余裕は一切なかったよ。
本心です」と言った。はるが抱き着いてきた。その日はお互い幸せな気分で家に着いた。
俺は意味がわからなかった。なぜそんなことを思うんだ?と思い「そりゃ今の生活から俺がいなくなるってことだろうけど、
どうしたの?」と聞いてみた。はるは「ううん、ふとそう思っただけ。人と付き合うってやっぱり人生においては結構重要な
イベントだからさ、あ、勘違いしないでね、亮介のことは一切の淀みもなく大好きだからね」と笑っていた。まぁそういうことなら
別にいいが、と思いつつ「俺もはるに告白されてなかったら色々変わってただろうな」と言った。はるは笑いながら「何がどう
変わってたんですか?教えてくださいよ先輩」と付き合ってからは呼ばなくなった先輩という呼び方で呼んできた。なので俺は
「物事って言うのはやっぱりタダでってわけにはいかないよな。つまり俺が言った後にはるも言ってくれるってことだよな。
えっと俺がはると付き合って変わったのは・・・」と言ったところではるが「ストップストップ!じゃあ言わなくていいよ!」と
慌てて止めてきた。俺は笑いながら「自分が言いたくないことを人に言わせようとするのは良くないぞ」と言った。はるは
「ごめんね。私のこと嫌いになった?」と聞いてきたのでそれに対して吹き出してしまった。はるが心配そうに「なんで笑うのよ」
と言ってきたので「ごめんね。あまりにもありえないことを聞かれたからつい笑っちゃったよ。そんなことではるのことを
嫌いになるくらいだったらとっくの昔に嫌いになってるっての」と言った。はるはそれを聞いて少し安心したような顔をしたあと、
笑いながら「そうかもね。これからも末永くよろしくお願いします」と言ってきた。「俺の方こそよろしくね。一応だけど一生
愛するつもりではいるからね」と言った。はるは「そこはびしっとかっこよくお前のことを一生愛するぞ!って言ってよ」と
言ってきたので俺は「よし、それじゃあ」と口を開こうとしたらはるが「あー、やっぱいいや!恥ずかしすぎるからなしね!」と
言って止めてきた。俺は笑いながら「今日はよくカットされるな」と言ったらはるは「そりゃ、バスケ部ですからね」と言って
きた。こんなことを話しながらその日は終わった。そして家に帰って少し考えてみた。はるが俺のことを好きじゃなかったら
どうなっていたのか。今のように二人で一緒に帰ることはなかっただろうし、体育祭で怪我をした時もあんな風に手当てして
くれなかっただろう。俺は部活を引退した時は少し寂しい気持ちがあったが、はるからの告白で全て吹き飛んだ。思えばすごく
助けられているな、と思った。そんな俺がはるに「好きになってなかったら」なんて言葉を吐かせてしまったこと自体が良くない
ことなんじゃないかと思った。不安に思わせるような言動がなかったか振り返ってみるが思い当たる節はない。好きな気持ちは
きちんと伝えてきたし、一緒にいる時間も大切にしている。単にふと思っただけなのかもしれないがそれが良くないことだと
自分を責めた。だがこういう時にどうしたら良いかがわからない。俺は恋愛に関してはエキスパートなわけはないので
スマホで検索してみた。だが有効な手段が見つからない。それもそのはずで愛の証明方法なんて決まっているはずがないのだ。
なので俺は自分なりに考えた方法を取ることにした。別に釣るつもりはないがプレゼントとかどうだろうか。だがいいものがない。
何かないかと部屋の中を探しているとふと目についたものがあった。それは俺がカバンにぶら下げていたバスケットボールの
キャラクターがデザインされたキーホルダーだ。バスケットに対して思い入れがないわけではないが、もう部活を引退したのだし
まだ現役であるはるに渡した方がキーホルダーも喜ぶかもしれない、それにこれではるが喜んでくれたなら最高だと思い、明日
キーホルダーを渡すことにした。そして翌日のこと。俺はカバンの中にキーホルダーをしまって学校へと向かった。放課後には
はるに渡すんだという強い気持ちと一緒に。そして授業は淡々と終わり、放課後になった。今日は部活が休みの日なのではるの
教室へ向かった。そしてはるを見つけて「一緒に帰ろう」と声をかけた。そして一緒に帰っていたときにはるが「今日はまだ
早いからどこかで少し話していかない?」と言ってきた。いつもならこの流れでカフェに行ったりするのだが今日はその前に、
という思いがあったので俺は「それは良いんだけどね」と言った。はるは不思議そうな顔をして「なあに?」と言ってきたので
「昨日さ、俺のことを好きになってなかったらどうなってたかなって言ってたじゃん」と言った。はるは「うん、言ったけど・・・
もしかして嫌だった?」と言ってきたので俺は「いや、なんていうのかな。そんなことを言わせちゃったことが悪かったなって
思ったんだよ」と言うとはるは「私が勝手に思っただけなんだから気にしなくていいのに」と返してきた。なので俺は「そうかも
しれないけどさ、俺のことを好きじゃなかったら、なんて思わせないようにしようと思って・・・いや、俺のことをもっと好きで
いてもらおうと思って、これ」と言ってはるにキーホルダーを渡した。そしてはるに向かって「俺がずっと使ってたものでごめん。
それと昨日はしっかり言えなかったけど・・・。お前のことを一生愛するぞ、はる」と言った。はるはキーホルダーを受け取ろうと
しなかった。なので俺は「あれ?嫌だった?」と声をかけるとはるの目から涙が出ていることに気づいた。俺は混乱してしまい
「ごめん!そんなに嫌だったんだね。また今度新しいものを用意するから!」とキーホルダーを下げようとしたところではるに
キーホルダーを奪われた。そしてはるは「うれし泣きって言葉を知らないの?もう」と言ってきた。え?泣くほど嬉しかったって
ことか?と思っていると「こんな気持ちにさせてくれた亮介のことを好きになれて私は幸せです!」と言ってきた。なので俺は
「不器用な俺の気持ちを受け取って喜んでくれるはると付き合えて幸せです」と言った。するとはるが「あ、昨日言ってたこと?
私が言ったから何か返さなくちゃって思ったの?」と言ってきたので俺は「そんなことを考えている余裕は一切なかったよ。
本心です」と言った。はるが抱き着いてきた。その日はお互い幸せな気分で家に着いた。