時期は二月中旬だ。二月にはカップルにとっての一大イベントが存在する。そう、バレンタインだ。はると付き合ってから初めて
バレンタインを迎えるが、さすがにもらえないということはないだろう。手作りチョコとかかな?と期待している自分がいる。
そして二月十四日は登校日だったのでちょうどよかった。学校に行き、普通に過ごして帰る時にバレンタインのチョコをもらえる
だろうな、と考えていた。別に甘いものが特別大好きだとかそんなことはないが、嬉しいことに違いはない。バレンタインとは
チョコをもらえるというイベントではなく愛を伝えてもらえるイベントなのだと思っていた。早く来ないかな、と考えているうちに
あっという間に二月十四日になった。俺は学校に着いてからずっとソワソワしていた。教室に着くと雅之が「今日はバレンタイン
だな!たくさんもらえるかな?」と言ってきた。俺は「お前はみくちゃんからもらえればそれでいいだろ」と言った。雅之は
「そりゃそうだけど、たくさんもらえたらなんか嬉しいじゃん」と言ってきた。気持ちはわかるけどな、と思いながらもあっと
いう間に放課後になった。今日ははるが部活の日なので俺は体育館へと向かう。そしていつも通り部活を眺めていた。すると後輩の
女の子たちが近づいてきた。なんだ?と思っていると「はるに嫉妬されちゃうかもしれないけど、完全に義理なので気にしないで
ください!感謝の気持ちとして部の女子からのチョコです!」と言ってチョコを渡された。さすがにここで受け取らないという
わけにはいかないので「ありがとうね。あ、でも完全に義理だ、とか言わないでいいよ」と言って受け取った。可愛い後輩たちから
こうやってプレゼントをもらうのも悪くはないな、と思いながら部活を見ているうちに部活が終わった。そしてはると一緒に
帰ることになったが、ここで自分からはるに「バレンタインだよ」なんて言うとかっこ悪いな、と思い黙っていることにした。
いつも通りの会話をし、いつも通りに過ごしていた。そして駅に着いてはると別れる時だ。このタイミングでチョコを渡してくる
のかな、と思い足を止めたがはるは全く意に介さない。おいおい、このタイミングで渡さないとおかしいぞ、と思ったが俺から
それを言うのはやはりおかしい。そして電車に乗ってはるの最寄りの駅まで着いてしまった。はるはじゃあね、と言って降りて
しまった。俺はやはり悲しかった。後輩の女の子からチョコはもらったがあくまでもサービスのものだ。やはりバレンタインなの
だからはるからチョコをもらいたかった。もし頼めばはるも気づいてその場でチョコを用意するくらいしたかもしれないがそれでは
俺の気持ちが満足しない。俺への愛情表現の一つとしてチョコという形にしてほしかったのだ。とはいえはるはもういなくなって
しまったしこれからはるを追いかけるわけにもいかない。俺は大人しく家へと帰ることにした。家に着いて今日のことを少し悲しく
思いながらも親にそんなところを見られては突っ込まれるだろうな、と思い明るい姿を見せた。そして一時間ほどすると俺の
スマホが鳴った。なんだ?と思って見てみるとはるからの電話だ。電話なんて珍しいな、と思い電話に出るとはるから「今、亮介の
家の近くにいるんだけど出てこれないかな?」と言われた。時間は夜八時くらいだ、あまり女子が一人でふらふらとしていい時間
ではないだろうと思い俺は慌てて外に出た。そして少し歩いたところではるを見かけた。「はる、こんな時間にこんなところで
何してるの?」と俺が聞くとはるが「あ、亮介。こんな遅くにごめんね。でも今日じゃないと意味がないから」と言って俺に
チョコを渡してきた。俺は驚いた。なぜこのタイミングなんだ?と思いはるに「ありがとう。でも、なんでこのタイミングなの?」
と聞いてみた。はるは「だって学校にお菓子持っていくのってなんか悪い気がしない?」と言ってきた。高校生にもなって律儀
すぎるだろ・・・と思ったがそこには触れなかった。せっかくチョコをくれたのだからその思いを消したくはなかったから。
俺は「そっか、ありがとね」と言ってはるに抱き着いた。はるは慌てた口調で「ちょっと、ここ亮介の家の近くだよ?いいの?」と
言ってきた。なので俺は「本当なら恥ずかしいんだけど、でも嬉しさには勝てなかった」と言った。はるは「そっか、そこまで
喜んでくれたなら渡した甲斐があったかな」と言った。そしてはるは「あ、ちなみにだけど他の女の子からチョコもらったり
した?」と聞いてきた。部活の後輩の女の子たちからもらったがここでモテ自慢をしても意味はないよな、と思い「いや、もらって
ないよ?」と言うとはるは「そうなんだ。亮介ってこういう時に嘘をつくんだね」と言ってきた。嘘だってなんでバレたんだ?と
思ったが仕方がないので正直に「わかったよ、正直に言うよ。部活の後輩の女の子たちからもらったよ」と言った。するとはるは
「なんで嘘ついたの?」と言ってきたので俺は「彼氏が他の女からチョコをもらったなんて嬉しいもんじゃないかなって思った
からだよ」と言うとはるは「そういう風に考えるんだね。あ、一応言っておくけど私も後輩の女の子だからね?」と言ってきた。
そりゃ後輩同士で俺にチョコをあげようって話になってればはるにだって話は伝わるか、と思った。はるは続けて「他には
もらった?」と聞いてきた。なので正直に「いや、本当にもらってないよ。嘘ついたからどうやって証拠を見せればいいか
わかんないけど」と言うと「証拠を見せようと考えた時点で嘘じゃないってわかるよ。それに別に他の子からもらったって
いいしね」と言ってきた。俺は「そうなの?」と聞くと「だって亮介の心は私がもらってるから」と言ってきた。
バレンタインを迎えるが、さすがにもらえないということはないだろう。手作りチョコとかかな?と期待している自分がいる。
そして二月十四日は登校日だったのでちょうどよかった。学校に行き、普通に過ごして帰る時にバレンタインのチョコをもらえる
だろうな、と考えていた。別に甘いものが特別大好きだとかそんなことはないが、嬉しいことに違いはない。バレンタインとは
チョコをもらえるというイベントではなく愛を伝えてもらえるイベントなのだと思っていた。早く来ないかな、と考えているうちに
あっという間に二月十四日になった。俺は学校に着いてからずっとソワソワしていた。教室に着くと雅之が「今日はバレンタイン
だな!たくさんもらえるかな?」と言ってきた。俺は「お前はみくちゃんからもらえればそれでいいだろ」と言った。雅之は
「そりゃそうだけど、たくさんもらえたらなんか嬉しいじゃん」と言ってきた。気持ちはわかるけどな、と思いながらもあっと
いう間に放課後になった。今日ははるが部活の日なので俺は体育館へと向かう。そしていつも通り部活を眺めていた。すると後輩の
女の子たちが近づいてきた。なんだ?と思っていると「はるに嫉妬されちゃうかもしれないけど、完全に義理なので気にしないで
ください!感謝の気持ちとして部の女子からのチョコです!」と言ってチョコを渡された。さすがにここで受け取らないという
わけにはいかないので「ありがとうね。あ、でも完全に義理だ、とか言わないでいいよ」と言って受け取った。可愛い後輩たちから
こうやってプレゼントをもらうのも悪くはないな、と思いながら部活を見ているうちに部活が終わった。そしてはると一緒に
帰ることになったが、ここで自分からはるに「バレンタインだよ」なんて言うとかっこ悪いな、と思い黙っていることにした。
いつも通りの会話をし、いつも通りに過ごしていた。そして駅に着いてはると別れる時だ。このタイミングでチョコを渡してくる
のかな、と思い足を止めたがはるは全く意に介さない。おいおい、このタイミングで渡さないとおかしいぞ、と思ったが俺から
それを言うのはやはりおかしい。そして電車に乗ってはるの最寄りの駅まで着いてしまった。はるはじゃあね、と言って降りて
しまった。俺はやはり悲しかった。後輩の女の子からチョコはもらったがあくまでもサービスのものだ。やはりバレンタインなの
だからはるからチョコをもらいたかった。もし頼めばはるも気づいてその場でチョコを用意するくらいしたかもしれないがそれでは
俺の気持ちが満足しない。俺への愛情表現の一つとしてチョコという形にしてほしかったのだ。とはいえはるはもういなくなって
しまったしこれからはるを追いかけるわけにもいかない。俺は大人しく家へと帰ることにした。家に着いて今日のことを少し悲しく
思いながらも親にそんなところを見られては突っ込まれるだろうな、と思い明るい姿を見せた。そして一時間ほどすると俺の
スマホが鳴った。なんだ?と思って見てみるとはるからの電話だ。電話なんて珍しいな、と思い電話に出るとはるから「今、亮介の
家の近くにいるんだけど出てこれないかな?」と言われた。時間は夜八時くらいだ、あまり女子が一人でふらふらとしていい時間
ではないだろうと思い俺は慌てて外に出た。そして少し歩いたところではるを見かけた。「はる、こんな時間にこんなところで
何してるの?」と俺が聞くとはるが「あ、亮介。こんな遅くにごめんね。でも今日じゃないと意味がないから」と言って俺に
チョコを渡してきた。俺は驚いた。なぜこのタイミングなんだ?と思いはるに「ありがとう。でも、なんでこのタイミングなの?」
と聞いてみた。はるは「だって学校にお菓子持っていくのってなんか悪い気がしない?」と言ってきた。高校生にもなって律儀
すぎるだろ・・・と思ったがそこには触れなかった。せっかくチョコをくれたのだからその思いを消したくはなかったから。
俺は「そっか、ありがとね」と言ってはるに抱き着いた。はるは慌てた口調で「ちょっと、ここ亮介の家の近くだよ?いいの?」と
言ってきた。なので俺は「本当なら恥ずかしいんだけど、でも嬉しさには勝てなかった」と言った。はるは「そっか、そこまで
喜んでくれたなら渡した甲斐があったかな」と言った。そしてはるは「あ、ちなみにだけど他の女の子からチョコもらったり
した?」と聞いてきた。部活の後輩の女の子たちからもらったがここでモテ自慢をしても意味はないよな、と思い「いや、もらって
ないよ?」と言うとはるは「そうなんだ。亮介ってこういう時に嘘をつくんだね」と言ってきた。嘘だってなんでバレたんだ?と
思ったが仕方がないので正直に「わかったよ、正直に言うよ。部活の後輩の女の子たちからもらったよ」と言った。するとはるは
「なんで嘘ついたの?」と言ってきたので俺は「彼氏が他の女からチョコをもらったなんて嬉しいもんじゃないかなって思った
からだよ」と言うとはるは「そういう風に考えるんだね。あ、一応言っておくけど私も後輩の女の子だからね?」と言ってきた。
そりゃ後輩同士で俺にチョコをあげようって話になってればはるにだって話は伝わるか、と思った。はるは続けて「他には
もらった?」と聞いてきた。なので正直に「いや、本当にもらってないよ。嘘ついたからどうやって証拠を見せればいいか
わかんないけど」と言うと「証拠を見せようと考えた時点で嘘じゃないってわかるよ。それに別に他の子からもらったって
いいしね」と言ってきた。俺は「そうなの?」と聞くと「だって亮介の心は私がもらってるから」と言ってきた。