「今度の土曜日、家に遊びに来ない?」突然はるから連絡があった。はるの家に呼ばれるのは今回が初めてだ。とはいえはるの
家族に囲まれてお茶をする、となるとまだまだ緊張する。はるのお母さんやお父さんに会うとなった場合にどうしたらいいのか。
友達ですと言えばいいのか、はっきりと彼氏ですと伝えたらいいのか。そんなことを考えているとはるからさらに連絡があり
「あ、その日は誰もいないから安心してね」と来た。家に誰もいないとなってくると話は変わってくる。女が一人きりの家に男を
呼ぶということは、つまりそういうことなのか?と考えてしまった。とはいえそんな気持ちで行ってはならない。はるの家に行って
楽しくお話をして帰る。これくらいで十分なはずだ。変な気は起こすまいと覚悟を決めて、俺は「土曜日なら何時からでも
空いてるからね」と連絡をしておいた。それから土曜日まではあっという間だった。いつも通り平日ははると一緒に帰って
馬鹿な話をしたりして、家に帰れば勉強をするというようなルーティーンで過ごしていたらすぐに土曜日が来た。そして土曜日、
俺ははるの家へと向かった。人の家に行くのだからきちんとした格好で行かなければと思い全身新しい服を用意した。本当なら
スーツで行こうかと思ったが俺は高校生だ。スーツなんて持っているわけないし、わざわざこの日のために買うなんて馬鹿すぎる。
それに今日会うのははるだけなのだからそこまで緊張しなくていいはずなのだ。そしてはるの家へ着く。はるの家は俺の家から
電車に乗ってそう遠くないところにあるのですぐに着いた。10時くらいに来てくれと言われていたが今は9時50分だ。よし、10分間
外で待つぞと思いはるの家の前に立っているとはるの家の玄関が開いた。俺はびっくりしたがそこにははるの姿があった。俺を
見るなり「あれ?亮介、どうして立ってるの?」と聞いてきた。なので俺は「いや、10時に来てくれって言ってたから10時まで
待とうかと思って」と言うとはるが笑いながら「几帳面か。そんなピッタリじゃなくていいのに。私がポスト見ようとたまたま
外に出てきたからよかったけどさ。まあいいや、入って」と言ってきた。俺は言われるがままにはるの家に入った。
「お邪魔します」と玄関で言って、きちんと靴を揃えて、とやっているとはるが「そんなにかしこまらなくていいのに。今日は
私しかいないって言わなかった?」と言ってきたので俺は「誰も見ていないときこそきちんとするのが礼儀ってもんだろ」と
返した。はるが「へへへ、かっこいい」と言って抱き着いてきた。俺は焦って「ちょ、ここは玄関」と言うとはるが「今日は誰も
いないの。それに私の家なんだから私は何してもいいんだよ?TPOをわきまえてるでしょ?」と言ってきた。俺は笑いながら
「そうかもしれないけど、急に男に抱き着くのはやめなさい」と言った。はるは「こんなことするのは彼氏にだけだって。当たり前
じゃないの」と言ってきた。まぁそうかもしれないけどさ、と思ったが玄関で言い合いをしていても仕方がないので「とりあえず、
中に入ろう」と言った。はるが「私の部屋は二階の奥にあるからね。一緒に行こ」と言いながら手を引っ張ってきたので俺は
応じた。そして部屋に着いた。女性の部屋の中に入るのは初めてだったが、なんというか普通だった。もっとファンシーな世界で
全面がピンク色、みたいな感じをイメージしていたのではるに「思ったより普通の部屋だね」と言った。はるは「もう。彼女の
部屋に初めて入って言う言葉がそれなの?可愛いね、とかきれいだね、とかないの?」と言ってきた。俺はこういう時に気の利いた
一言すら言えない自分が情けなくなってしまい「ああ。きれいな部屋だね」と力なく言った。はるは笑いながら「もういいです。
どうせ普通の部屋ですよーだ」と言ってきた。今後こう言ったことがないように気を付けようと心に誓って、はるに「どうすれば
いいの?」と聞いた。するとはるは「どうすればって、別に好きなところに座って?」と言ってきた。なので俺は適当に腰掛けた。
「ちょっと待っててね」と言ってはるが部屋から出ていった。なんだ?と思って少し待っていると戻ってきて「部屋に人を招いた
んだからお茶くらい用意するのが当たり前でしょ。でも部屋にテーブルなんてないから、ペットボトルだけどね」と言って
ペットボトルを二本持ってきた。俺はお礼を告げてペットボトルを受け取り、そこからはゆっくりとくつろいだ。はるとの会話は
バスケ部時代の話が多かった。だがそれ以外にもたくさん色んな話をした。そんな時にはるが「今日、ずいぶんしっかりとした
かっこしてるけどどうしたの?」と聞いてきた。なので俺は「いや、初めて彼女の家に行くんだからちゃんとしたかっこをしないと
ダメかと思って新しい服を用意したんだよ」と言った。はるは大笑いして「そこまでしなくていいのに。亮介の気合の入れ方って
本当面白い」と言ってきた。俺は「いいのが思いつかなかったんだよ。しょうがないだろ」と少しすねたように言うとはるが
「はいはい、ごめんね」と言って抱き着いてきた。先ほどとはわけが違ってここは部屋の中なのだから文句は言えなかった。
俺も抱き返すとはるは「ずっとずっと愛してるからね」と言ってきた。俺も負けじと「俺の方が愛してるからね。この勝負だけは
譲らないよ」と言った。そして顔を見合わせて二人で笑った。そんなことをしていると玄関から物音が聞こえた。郵便かな?と
思っているとはるが「ん?ちょっと待って。見てくる」と言って部屋を出ていった。そして部屋に戻ってきたところではるが
「どうしよう。お母さんが帰ってきちゃった」と言ってきた。俺は混乱して「どういうこと?」と聞くと「今日ね、一日出かけて
くるって言ってたんだけど予定よりも早く終わったとかで帰ってきちゃったの。どうしよう」とはるが言った。俺は「えっと、
じゃあばれないように抜け出せばいいの?」と聞くと「お母さんが靴を見て誰か来てるの?って言うから彼氏が来てるって
言っちゃった・・・」と言ってきた。俺は混乱して「ちょ、そこは友達がとか言っておけば良かったのに」と言うと「私だって
急にお母さんが帰ってきてパニックだったんだよ。仕方ないでしょ」と言うので確かに急なできごとだからパニックになるのは
仕方ないよな、と思い「ここで喧嘩しててもしょうがいないな。どうしようか」と言うとはるが「お母さんが顔合わせくらい
させなさいって言ってきたよ。大丈夫?」と俺に聞いてきた。俺の緊張は一気にマックスまで高まった。親に挨拶となると失礼な
ことがあってはならない。とはいえ何も準備はしてきていないしどうしたらいいかわからない。このまま帰ってしまっても
いいのかもしれないがはるの親からすると印象は悪くなるだろう。そんなことになったら困ると思い「わかった。挨拶するよ。
その代わり何も準備してきてないけど大丈夫?」と言うとはるは「準備って何よ。お母さんにキーホルダーでもプレゼントする
つもりだったの?」と笑ってきた。人の気も知らないで、と思っているとはるが「冗談だよ。亮介の気持ちはちゃんと理解してる
からね。覚悟できたらお母さんに会ってくれる?」と言ってきた。なので俺は「わかった。挨拶をして今日はそのまま帰るよ。
ずっと部屋にいるってなるとお母さんも気を遣うだろうしね」と言った。はるは「残念だけど仕方ないね。わかったよ」と言った。
そして少し呼吸を整えて「えっと、じゃあお母さんのところに行けばいいのかな?」と言うとはるが「うん。下のリビングに
いると思うから行こ」と言って手を引っ張ってきた。俺は手を振り払って「大丈夫。一人で行けるよ」と言うとはるが「私と
手を繋ぐのが嫌なの?」と言ってきたので「親の前ではな。TPOだって」と言うとはるが笑いながら「そうだったね。ごめんね」と
言ってきた。そしてリビングへ行くとはるのお母さんらしき人がいた。こんにちは、と声をかけると「あなたがはるの彼氏?私は
はるの母です、よろしくね」と言ってきた。俺はテンパってしまい「はい。中井亮介といいます。高校三年生です。バスケ部に
所属していましたが引退して、今は大学受験のために勉強をしています。趣味はこれと言ってありませんが家ではゲームをしたり
テレビを見たりして過ごしています」と言うとはるのお母さんは笑いながら「そんなにかしこまらなくていいのよ。今日はゆっくり
していってね」と言ってきたので「あ、いえ、今日はそろそろ失礼させていただきます。お邪魔しました」と言うと「あら残念。
また今度来てね」と言ってくれた。俺は失礼しますと告げて玄関へ向かった。するとはるが「少しお母さんと話したら駅まで送って
行くから玄関で待ってて」と言ってきた。ここで歯向かってもなんの意味もないので俺は言われた通り玄関に座って待っていた。
少しするとはるが来て「お待たせ。いこっか」と言ってきた。俺は言われた通りに立ち上がってお邪魔しました、と告げて
外へ出た。駅に向かって歩いているとはるが「今日はごめんね」と言ってきた。俺が「何が?」と言うと「お母さんが急に帰って
きちゃってゆっくりできなかったよね」と言ってきたので「仕方ないことじゃん。そんなことで怒ったりはしないよ」と言うと
はるは安心したようで「良かった。お母さんもああ言ってたけどまた来てね。さっきお母さんと話してたけど亮介のことは高評価
だったみたいだよ」と言うので俺は「ああ。今度はスーツでびしっと決めてこないとな」と言うとはるが「いやいや、
おかしいって」と言ってきたので「冗談だよ。でも未来のお母さんだからな」と返した。そして少し歩いているとはるが
「そういえばさ」と言ってきたので俺は「どうしたの?」と聞くと「お母さんが帰ってくる前ね、部屋に好きな女性と
二人きりだったんだよ?変な気にならなかったの?」と聞いてきた。何を言ってるんだと思っていると「私ってそんなに魅力が
ないのかな」と言ってきたので俺は「いやいや、そんなことはないよ」と言った。はるは「でも、実際に今日は何もしてこなかった
じゃない」と言ってきたので「あのな、誰もいない彼女の家に行ってこっそりと変なことをしようなんて余裕のある男に思える
のか?こんなこと俺の口から言わせるんじゃないよ」と言うとはるは笑って「そうでしたね。そういうところが好きなんだけどね」
と言ってきた。俺はこういう俺を認めてくれるところが好きだよ。
家族に囲まれてお茶をする、となるとまだまだ緊張する。はるのお母さんやお父さんに会うとなった場合にどうしたらいいのか。
友達ですと言えばいいのか、はっきりと彼氏ですと伝えたらいいのか。そんなことを考えているとはるからさらに連絡があり
「あ、その日は誰もいないから安心してね」と来た。家に誰もいないとなってくると話は変わってくる。女が一人きりの家に男を
呼ぶということは、つまりそういうことなのか?と考えてしまった。とはいえそんな気持ちで行ってはならない。はるの家に行って
楽しくお話をして帰る。これくらいで十分なはずだ。変な気は起こすまいと覚悟を決めて、俺は「土曜日なら何時からでも
空いてるからね」と連絡をしておいた。それから土曜日まではあっという間だった。いつも通り平日ははると一緒に帰って
馬鹿な話をしたりして、家に帰れば勉強をするというようなルーティーンで過ごしていたらすぐに土曜日が来た。そして土曜日、
俺ははるの家へと向かった。人の家に行くのだからきちんとした格好で行かなければと思い全身新しい服を用意した。本当なら
スーツで行こうかと思ったが俺は高校生だ。スーツなんて持っているわけないし、わざわざこの日のために買うなんて馬鹿すぎる。
それに今日会うのははるだけなのだからそこまで緊張しなくていいはずなのだ。そしてはるの家へ着く。はるの家は俺の家から
電車に乗ってそう遠くないところにあるのですぐに着いた。10時くらいに来てくれと言われていたが今は9時50分だ。よし、10分間
外で待つぞと思いはるの家の前に立っているとはるの家の玄関が開いた。俺はびっくりしたがそこにははるの姿があった。俺を
見るなり「あれ?亮介、どうして立ってるの?」と聞いてきた。なので俺は「いや、10時に来てくれって言ってたから10時まで
待とうかと思って」と言うとはるが笑いながら「几帳面か。そんなピッタリじゃなくていいのに。私がポスト見ようとたまたま
外に出てきたからよかったけどさ。まあいいや、入って」と言ってきた。俺は言われるがままにはるの家に入った。
「お邪魔します」と玄関で言って、きちんと靴を揃えて、とやっているとはるが「そんなにかしこまらなくていいのに。今日は
私しかいないって言わなかった?」と言ってきたので俺は「誰も見ていないときこそきちんとするのが礼儀ってもんだろ」と
返した。はるが「へへへ、かっこいい」と言って抱き着いてきた。俺は焦って「ちょ、ここは玄関」と言うとはるが「今日は誰も
いないの。それに私の家なんだから私は何してもいいんだよ?TPOをわきまえてるでしょ?」と言ってきた。俺は笑いながら
「そうかもしれないけど、急に男に抱き着くのはやめなさい」と言った。はるは「こんなことするのは彼氏にだけだって。当たり前
じゃないの」と言ってきた。まぁそうかもしれないけどさ、と思ったが玄関で言い合いをしていても仕方がないので「とりあえず、
中に入ろう」と言った。はるが「私の部屋は二階の奥にあるからね。一緒に行こ」と言いながら手を引っ張ってきたので俺は
応じた。そして部屋に着いた。女性の部屋の中に入るのは初めてだったが、なんというか普通だった。もっとファンシーな世界で
全面がピンク色、みたいな感じをイメージしていたのではるに「思ったより普通の部屋だね」と言った。はるは「もう。彼女の
部屋に初めて入って言う言葉がそれなの?可愛いね、とかきれいだね、とかないの?」と言ってきた。俺はこういう時に気の利いた
一言すら言えない自分が情けなくなってしまい「ああ。きれいな部屋だね」と力なく言った。はるは笑いながら「もういいです。
どうせ普通の部屋ですよーだ」と言ってきた。今後こう言ったことがないように気を付けようと心に誓って、はるに「どうすれば
いいの?」と聞いた。するとはるは「どうすればって、別に好きなところに座って?」と言ってきた。なので俺は適当に腰掛けた。
「ちょっと待っててね」と言ってはるが部屋から出ていった。なんだ?と思って少し待っていると戻ってきて「部屋に人を招いた
んだからお茶くらい用意するのが当たり前でしょ。でも部屋にテーブルなんてないから、ペットボトルだけどね」と言って
ペットボトルを二本持ってきた。俺はお礼を告げてペットボトルを受け取り、そこからはゆっくりとくつろいだ。はるとの会話は
バスケ部時代の話が多かった。だがそれ以外にもたくさん色んな話をした。そんな時にはるが「今日、ずいぶんしっかりとした
かっこしてるけどどうしたの?」と聞いてきた。なので俺は「いや、初めて彼女の家に行くんだからちゃんとしたかっこをしないと
ダメかと思って新しい服を用意したんだよ」と言った。はるは大笑いして「そこまでしなくていいのに。亮介の気合の入れ方って
本当面白い」と言ってきた。俺は「いいのが思いつかなかったんだよ。しょうがないだろ」と少しすねたように言うとはるが
「はいはい、ごめんね」と言って抱き着いてきた。先ほどとはわけが違ってここは部屋の中なのだから文句は言えなかった。
俺も抱き返すとはるは「ずっとずっと愛してるからね」と言ってきた。俺も負けじと「俺の方が愛してるからね。この勝負だけは
譲らないよ」と言った。そして顔を見合わせて二人で笑った。そんなことをしていると玄関から物音が聞こえた。郵便かな?と
思っているとはるが「ん?ちょっと待って。見てくる」と言って部屋を出ていった。そして部屋に戻ってきたところではるが
「どうしよう。お母さんが帰ってきちゃった」と言ってきた。俺は混乱して「どういうこと?」と聞くと「今日ね、一日出かけて
くるって言ってたんだけど予定よりも早く終わったとかで帰ってきちゃったの。どうしよう」とはるが言った。俺は「えっと、
じゃあばれないように抜け出せばいいの?」と聞くと「お母さんが靴を見て誰か来てるの?って言うから彼氏が来てるって
言っちゃった・・・」と言ってきた。俺は混乱して「ちょ、そこは友達がとか言っておけば良かったのに」と言うと「私だって
急にお母さんが帰ってきてパニックだったんだよ。仕方ないでしょ」と言うので確かに急なできごとだからパニックになるのは
仕方ないよな、と思い「ここで喧嘩しててもしょうがいないな。どうしようか」と言うとはるが「お母さんが顔合わせくらい
させなさいって言ってきたよ。大丈夫?」と俺に聞いてきた。俺の緊張は一気にマックスまで高まった。親に挨拶となると失礼な
ことがあってはならない。とはいえ何も準備はしてきていないしどうしたらいいかわからない。このまま帰ってしまっても
いいのかもしれないがはるの親からすると印象は悪くなるだろう。そんなことになったら困ると思い「わかった。挨拶するよ。
その代わり何も準備してきてないけど大丈夫?」と言うとはるは「準備って何よ。お母さんにキーホルダーでもプレゼントする
つもりだったの?」と笑ってきた。人の気も知らないで、と思っているとはるが「冗談だよ。亮介の気持ちはちゃんと理解してる
からね。覚悟できたらお母さんに会ってくれる?」と言ってきた。なので俺は「わかった。挨拶をして今日はそのまま帰るよ。
ずっと部屋にいるってなるとお母さんも気を遣うだろうしね」と言った。はるは「残念だけど仕方ないね。わかったよ」と言った。
そして少し呼吸を整えて「えっと、じゃあお母さんのところに行けばいいのかな?」と言うとはるが「うん。下のリビングに
いると思うから行こ」と言って手を引っ張ってきた。俺は手を振り払って「大丈夫。一人で行けるよ」と言うとはるが「私と
手を繋ぐのが嫌なの?」と言ってきたので「親の前ではな。TPOだって」と言うとはるが笑いながら「そうだったね。ごめんね」と
言ってきた。そしてリビングへ行くとはるのお母さんらしき人がいた。こんにちは、と声をかけると「あなたがはるの彼氏?私は
はるの母です、よろしくね」と言ってきた。俺はテンパってしまい「はい。中井亮介といいます。高校三年生です。バスケ部に
所属していましたが引退して、今は大学受験のために勉強をしています。趣味はこれと言ってありませんが家ではゲームをしたり
テレビを見たりして過ごしています」と言うとはるのお母さんは笑いながら「そんなにかしこまらなくていいのよ。今日はゆっくり
していってね」と言ってきたので「あ、いえ、今日はそろそろ失礼させていただきます。お邪魔しました」と言うと「あら残念。
また今度来てね」と言ってくれた。俺は失礼しますと告げて玄関へ向かった。するとはるが「少しお母さんと話したら駅まで送って
行くから玄関で待ってて」と言ってきた。ここで歯向かってもなんの意味もないので俺は言われた通り玄関に座って待っていた。
少しするとはるが来て「お待たせ。いこっか」と言ってきた。俺は言われた通りに立ち上がってお邪魔しました、と告げて
外へ出た。駅に向かって歩いているとはるが「今日はごめんね」と言ってきた。俺が「何が?」と言うと「お母さんが急に帰って
きちゃってゆっくりできなかったよね」と言ってきたので「仕方ないことじゃん。そんなことで怒ったりはしないよ」と言うと
はるは安心したようで「良かった。お母さんもああ言ってたけどまた来てね。さっきお母さんと話してたけど亮介のことは高評価
だったみたいだよ」と言うので俺は「ああ。今度はスーツでびしっと決めてこないとな」と言うとはるが「いやいや、
おかしいって」と言ってきたので「冗談だよ。でも未来のお母さんだからな」と返した。そして少し歩いているとはるが
「そういえばさ」と言ってきたので俺は「どうしたの?」と聞くと「お母さんが帰ってくる前ね、部屋に好きな女性と
二人きりだったんだよ?変な気にならなかったの?」と聞いてきた。何を言ってるんだと思っていると「私ってそんなに魅力が
ないのかな」と言ってきたので俺は「いやいや、そんなことはないよ」と言った。はるは「でも、実際に今日は何もしてこなかった
じゃない」と言ってきたので「あのな、誰もいない彼女の家に行ってこっそりと変なことをしようなんて余裕のある男に思える
のか?こんなこと俺の口から言わせるんじゃないよ」と言うとはるは笑って「そうでしたね。そういうところが好きなんだけどね」
と言ってきた。俺はこういう俺を認めてくれるところが好きだよ。