また、とある日のこと。その日は一人で帰る。と言うのも、はるが修学旅行に行っておりいないからだ。俺は少し寂しさを
感じながらも彼女ができる前はこれが当たり前だったんだよな、と思い教室を出た。はるが彼女になる前は友達と一緒に
帰ることも珍しくはなかったのだが、俺に彼女ができた、ということがわかると友達はみんな「彼女と帰れよ」と言ってきた。
その流れで今日も一緒に帰ってくれる友達が見つからず、まぁ別にこんな日もあるよな、と思いながら一人で帰った。
その帰り道、珍しく野良猫がいた。あ、猫がいるなと思い俺ははるに話しかけたつもりで「ねえ、猫がいるよ」と言った。
だがそこには誰もいない。あ、そうだ、いないんだった・・・と思い急に寂しくなった。とはいえこの寂しさをどうにかする方法は
ないし、はるに電話しようかな、なんて考えたが修学旅行を楽しんでいる最中なんだからそんなことをしたら迷惑になるよな、と
思いできなかった。なので俺は猫に近づいて「俺、一人なんだよ。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ寂しいから写真でも
撮らせてよ」と猫に話しかけた。猫は俺の思いを知ってか知らずかにゃあと一鳴きしてごろんと転がった。俺はスマホを取り出して
写真を撮った。これも思い出の一つだろうしな、なんて思った。はるがいないのは3日間だ。たかがその程度の日数なのに
寂しくなってしまった自分のことを少し笑いつつ、その日は帰った。翌日、その日も学校が終わって帰る。また一人か、なんて
思いながら一人で歩いていると、帰り道に花が咲いていた。花くらい咲くのは珍しくもないだろうと思うかもしれないが、周囲には
何もない。なのでぽつんと花が咲いていることに俺は興味を持ち、スマホで写真を撮った。なんという花かは知らないし別に興味も
ないがまぁそんなこともあるんだな、と思った。その日はそれ以外何もなく終わった。さらにあくる日のこと。一人で帰っていた。
一昨日は猫に会ったし昨日は一輪の花を見かけた。俺の寂しい気持ちを世界が気づいてフォローしてくれてるのかな?なんて
感傷に浸りながら歩いていた。だがその日は何もない。それが普通なんだけどな、と思い歩いていると少し風が吹いた。ん?と思い
空を見上げるとそこには虹があった。虹もそう珍しいものではないが、何もないだろうと思った日に虹が出ている。なんか
あるんじゃないか、と思って俺はスマホで虹の写真を撮った。そうこうしているうちに俺は家に着いた。そして次の日、今日は
はると一緒に帰れるぞ、と思い学校が終わったタイミングではるの教室へ向かう。ちなみに・・・はるは今も部活を続けている。
なのになんで部活を引退した俺と一緒に帰れるの?と思うかもしれないが答えは単純で俺がはるが終わるまで待ってるからだ。
受験生の癖にそんなことしていいのか?と思うかもしれないがその点はぬかりがない。部活を横目に俺は隅っこで勉強をしている。
元部活のメンバーだったわけだから部活を覗きに行くことくらい許されてるしね。なら教室で勉強しろよ、と思うかもしれないが
だからね、寂しがり屋なんだってば。それに勉強にだって休憩は必要なのだから、休憩の合間に後輩に指導したりもしてる。
あいつ、まだ来てるのかよとうざがられてるかもしれないが、まぁそこは大目に見てってことでね。というわけなのだが部活だって
修学旅行の次の日からいきなり参加しろ!とはならないので今日のはるば部活が休みだ。俺が教室へ向かうとはるがいた。
そして俺に「亮介!」と声をかけながら満面の笑みで近づいてきた。普段はここまでのリアクションじゃないのにな、と思って
いるとはるは「修学旅行の間亮介に会えなくて寂しかったの」と言ってきた。可愛い奴め、と思いながらも俺は「じゃ、一緒に
帰ろうか」とだけ声をかけた。そして一緒に帰っている間、はるは修学旅行の話をたくさんしてくれた。あのご飯がおいしかった、
あの場所がきれいだったなど嬉しそうに話してくる。そして最後に「今度は亮介と一緒に旅行行けたらいいな」と言ってきた。
俺は「そうだね。絶対行こうね」とだけ言った。少し歩いているとはるが「あ、そういえば私がいなかった間って一人で
帰ってたの?」と聞いてきた。なので俺は正直に「そうだね。一人で帰ってたよ」と言った。するとはるが少しいたずらな顔をして
「私がいなくて寂しくなかった?」と言ってきた。普段の俺ならばここで「寂しくなかったよ」と言うところだが3日振りのはるに
会えたことが嬉しくてつい「うん、寂しかったよ」と言った。はるは少し驚いた顔をして「あれ?今日はやけに素直なんだね?」と
言ってきた。なので俺は「だって、寂しくなかったって言ってこのままじゃあねってされたら寂しいじゃん」と言った。はるは
くすくすと笑い「そういうところは可愛いね」と言ってきた。俺は「寂しかったっていう証拠見せようか?」と言った。「証拠?
どういうこと?」とはるが言ってきたので「ほら、この辺の写真見て。はるがいない間に一人で撮った写真だよ。写真を撮るの
なんて趣味じゃない俺が思わずシャッターを押してしまうくらい感傷的だったってことだよ」と言うと写真を見たはるが
「そっか。寂しくさせてごめんね?」と言ってきた。俺は「はるのせいじゃないじゃん。それに俺、これから大学に行くのに
こんな調子じゃ少しまずいよな」と言うと「それはこれから成長していこ。ね?でも私と一緒に帰れなくて寂しいって思って
くれたことはシンプルに嬉しいけどね」と言ってきた。そうやって言ってくれてる時点で成長できそうだ。
感じながらも彼女ができる前はこれが当たり前だったんだよな、と思い教室を出た。はるが彼女になる前は友達と一緒に
帰ることも珍しくはなかったのだが、俺に彼女ができた、ということがわかると友達はみんな「彼女と帰れよ」と言ってきた。
その流れで今日も一緒に帰ってくれる友達が見つからず、まぁ別にこんな日もあるよな、と思いながら一人で帰った。
その帰り道、珍しく野良猫がいた。あ、猫がいるなと思い俺ははるに話しかけたつもりで「ねえ、猫がいるよ」と言った。
だがそこには誰もいない。あ、そうだ、いないんだった・・・と思い急に寂しくなった。とはいえこの寂しさをどうにかする方法は
ないし、はるに電話しようかな、なんて考えたが修学旅行を楽しんでいる最中なんだからそんなことをしたら迷惑になるよな、と
思いできなかった。なので俺は猫に近づいて「俺、一人なんだよ。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ寂しいから写真でも
撮らせてよ」と猫に話しかけた。猫は俺の思いを知ってか知らずかにゃあと一鳴きしてごろんと転がった。俺はスマホを取り出して
写真を撮った。これも思い出の一つだろうしな、なんて思った。はるがいないのは3日間だ。たかがその程度の日数なのに
寂しくなってしまった自分のことを少し笑いつつ、その日は帰った。翌日、その日も学校が終わって帰る。また一人か、なんて
思いながら一人で歩いていると、帰り道に花が咲いていた。花くらい咲くのは珍しくもないだろうと思うかもしれないが、周囲には
何もない。なのでぽつんと花が咲いていることに俺は興味を持ち、スマホで写真を撮った。なんという花かは知らないし別に興味も
ないがまぁそんなこともあるんだな、と思った。その日はそれ以外何もなく終わった。さらにあくる日のこと。一人で帰っていた。
一昨日は猫に会ったし昨日は一輪の花を見かけた。俺の寂しい気持ちを世界が気づいてフォローしてくれてるのかな?なんて
感傷に浸りながら歩いていた。だがその日は何もない。それが普通なんだけどな、と思い歩いていると少し風が吹いた。ん?と思い
空を見上げるとそこには虹があった。虹もそう珍しいものではないが、何もないだろうと思った日に虹が出ている。なんか
あるんじゃないか、と思って俺はスマホで虹の写真を撮った。そうこうしているうちに俺は家に着いた。そして次の日、今日は
はると一緒に帰れるぞ、と思い学校が終わったタイミングではるの教室へ向かう。ちなみに・・・はるは今も部活を続けている。
なのになんで部活を引退した俺と一緒に帰れるの?と思うかもしれないが答えは単純で俺がはるが終わるまで待ってるからだ。
受験生の癖にそんなことしていいのか?と思うかもしれないがその点はぬかりがない。部活を横目に俺は隅っこで勉強をしている。
元部活のメンバーだったわけだから部活を覗きに行くことくらい許されてるしね。なら教室で勉強しろよ、と思うかもしれないが
だからね、寂しがり屋なんだってば。それに勉強にだって休憩は必要なのだから、休憩の合間に後輩に指導したりもしてる。
あいつ、まだ来てるのかよとうざがられてるかもしれないが、まぁそこは大目に見てってことでね。というわけなのだが部活だって
修学旅行の次の日からいきなり参加しろ!とはならないので今日のはるば部活が休みだ。俺が教室へ向かうとはるがいた。
そして俺に「亮介!」と声をかけながら満面の笑みで近づいてきた。普段はここまでのリアクションじゃないのにな、と思って
いるとはるは「修学旅行の間亮介に会えなくて寂しかったの」と言ってきた。可愛い奴め、と思いながらも俺は「じゃ、一緒に
帰ろうか」とだけ声をかけた。そして一緒に帰っている間、はるは修学旅行の話をたくさんしてくれた。あのご飯がおいしかった、
あの場所がきれいだったなど嬉しそうに話してくる。そして最後に「今度は亮介と一緒に旅行行けたらいいな」と言ってきた。
俺は「そうだね。絶対行こうね」とだけ言った。少し歩いているとはるが「あ、そういえば私がいなかった間って一人で
帰ってたの?」と聞いてきた。なので俺は正直に「そうだね。一人で帰ってたよ」と言った。するとはるが少しいたずらな顔をして
「私がいなくて寂しくなかった?」と言ってきた。普段の俺ならばここで「寂しくなかったよ」と言うところだが3日振りのはるに
会えたことが嬉しくてつい「うん、寂しかったよ」と言った。はるは少し驚いた顔をして「あれ?今日はやけに素直なんだね?」と
言ってきた。なので俺は「だって、寂しくなかったって言ってこのままじゃあねってされたら寂しいじゃん」と言った。はるは
くすくすと笑い「そういうところは可愛いね」と言ってきた。俺は「寂しかったっていう証拠見せようか?」と言った。「証拠?
どういうこと?」とはるが言ってきたので「ほら、この辺の写真見て。はるがいない間に一人で撮った写真だよ。写真を撮るの
なんて趣味じゃない俺が思わずシャッターを押してしまうくらい感傷的だったってことだよ」と言うと写真を見たはるが
「そっか。寂しくさせてごめんね?」と言ってきた。俺は「はるのせいじゃないじゃん。それに俺、これから大学に行くのに
こんな調子じゃ少しまずいよな」と言うと「それはこれから成長していこ。ね?でも私と一緒に帰れなくて寂しいって思って
くれたことはシンプルに嬉しいけどね」と言ってきた。そうやって言ってくれてる時点で成長できそうだ。