祓い屋門澤は助手などいらない


「嫌だ、断る」
「そこをなんとか、お願いします…!俺も妖の噂を耳にしたらいち早くご連絡するので。ほら、助手だと思っていただければ」
「助手だと?そんなもん必要ない。ひとりでやってきたのに、今さら歳の離れた子どもにウロチョロされたら迷惑だ」
「そんなことないですよ!昨日の連携プレー、見たでしょう?きっとうまくいきますって」

 確かに、暗い山道を駆け抜けても地べたに転がることはなかった身体能力と、部屋に乗り込んで慣れてもいない札を妖に投げつける度胸はヘタレにしては認めるが、それとこれとは別である。
 キラキラした瞳で懇願されても気は変わらないし、ネタがないために仕事にならず生活苦になっても同情しない。
 いきなりこんなことを言い出すヤツと相性が合うわけがないと断言できるからだ。

「来月から“祓い屋の怪奇譚”を連載しないか、上に掛け合ってみますね」
「何勝手なことを…!お前の会社に、今すぐ千秋という名の記者をクビにするよう投書してやる」
「ちゃんと俺のこと覚えてくれてるじゃないですか。しかも下の名前で呼ぶなんて」
「たわけ。名字を口にする気がないだけだ」