「私に対して、愛情表現をするんです」

「…つまり。僕が洸ちゃんに愛情表現をしたから、僕は人じゃないと」

「そうです。……何で私の名前知ってるんですか? 人じゃないから…」

「キーホルダーを見たんです」

「キーホルダー? あっ…」

自分のリュックサックにつけている“洸-HIKARU-”と書かれているキーホルダーを思い出す。

「人でも、分かるでしょう?」

「分かりませんよ。
人は私に関心がありませんから」

関心を持たない限り、キーホルダーの存在を知る事は出来ませんから。

「洸ちゃんって……。
自分は人に好かれないって、思ってる?」

「思ってます。私は、人に好かれません」

「そんな事ないんじゃないかな? 僕は」

「私は、両親に捨てられたんです」