あのダルメシアンと、私が今、生きていられるのは…。

「狗岾…さんが……助けてくれたからです……」

狗岾…さんが…。

「僕が人じゃなかったからね。
人じゃなくて良かったです」

「狗岾…さん…」

「洸ちゃん。
僕の背中に、まだありますか?」

私は狗岾…さんの背中を見る。

「無い……です」

「そうですか。
危険な目に遭った時に出て、危険が無くなったら、消えるんですかね?
どんなでしたか?」

「どん…な?」

「はい。
洸ちゃんは見たんですよね?
僕の背中にあったものを」