「人、です!
生きてますし!」

狗岾…さんの右手が、私の左手を掴む。

「何回も触れてますし!」

「そう…ですね……。
ごめん…なさい……」

人じゃなくても、さすがに幽霊じゃ…。

左から赤いボールが転がってくると、赤い首輪をしたダルメシアンがそれを追いかけ、走って行く。

その先は……。

私は狗岾…さんの右手を振り払うと、ダルメシアンの元へと急いで走る。

「洸ちゃん!!!」

間に合って! その先は…。

赤いボールが視界から消える。


崖なの!!!