「義姉さんは洸にプレゼントをよくくれるわ。
最近は……」
叔母が指を指す。
「キーホルダー」
指さした方向には、私のリュックサックについている名前のキーホルダー。
母が私に…。
「ねぇ、洸。覚えてる?
私が離婚したばかりの頃、兄さん達が実家に来ていて、洸は庭で遊んでた…」
『洸ちゃん!
叔母さんは、家に居るかな?』
家の柵ごしに声をかけてきた男。
あの男…。
「わたしが追い返そうと庭に出ようとしたら…」
『……どうして…教えないと……いけないんですか?』
『…あれ?
僕が誰だか分からないのかな……』
『分かります。
叔母さんを傷つけたひどい元叔父、ですよね?』
『僕は……叔母さんを傷つけたくて…傷つけた訳じゃ』
『会ったら、また叔母さんを傷つけるかもしれないですよね?
あなたに叔母さんを傷つかせません。
もう二度とここには来ないで下さい』