カフェの前の鳥かご。

私は鳥かごの中に居るセキセイインコがエサを食べている隙にすぐ近くに行き、セキセイインコと目を合わせてみる。

すると、セキセイインコがエサを食べるのを止めて、私の目を見ながら言う。

「スキダ。スキダ。スキダ。スキダ…」

何回も。

「前に教えましたか？」

「教えてません！」

「そうでしょうね。
洸ちゃんが好きですって、すごく伝わってきますから」

私は隣に居る狗岾…さんをそっと見てみる。

セキセイインコを笑顔で見ている狗岾……さん。

「本当に人以外の生き物に好かれているんですね」

人に見えますね。

「人にも好かれてますけど」

「好かれてません。
狗岾…さんは、人じゃないですから」