父は画家で、家の敷地内にあるアトリエに居て、たまに家に来る事もあるんです。

父が見たら、激怒するだろうと。


「前に私が隣の家で飼われている柴犬と遊んでいただけでも、怒られたから」


激怒した父はすごく恐かったから。

私は捕まえるために黒ネコの側に行った。

そして、私は黒ネコと目が合った。


「その時の私は気付いてなかったんです」


目が合ったら、愛情表現をされる。


「必ず抱きつかれるという事を」


黒ネコが跳んで、私に抱きつこうとした瞬間。

『洸。何してるの?』

母が私の前に立ってしまった。


「母が死にかけたんです」