「あの部屋に合うインテリアかぁ……」

 その日、千歳は隣町の大型ホームセンターへ行き、家具をながめていた。昼間は勤務時間外だったが、夜は店が閉まっているし、この時間にあの部屋に合いそうなインテリアを探すしかない。
 だけどたくさんのインテリアは、ながめているだけでも楽しかった。

 千歳は凌真が描いたというパースの絵を思い浮かべる。青と白を基調とした、日当たりのよい爽やかな部屋。
 そばに並んでいる青いソファーに目を向けた。千歳の部屋は和室だが、リノベーション後のあの部屋はフローリングの洋室になる。だったらこんなソファーを置いてみたい。深い青色なら部屋がぴりっと引き締まる。

 ソファーの前のローテーブルは、素朴な木目調で。カーテンもブルーかな。でも真っ白なブラインドも素敵かも。閉じても部屋が明るくなって、気分も明るくなりそうだ。
 床にはラグマットを敷いてみたい。あそこにある、淡いブルーと白のラグマットが綺麗だな。クッションも揃えてみよう。ベッドルームの方はどうしようか……

 自分の部屋でもないのに、千歳は胸がわくわくしてきた。
 あの部屋はきっと、雪女さんにも喜んでもらえる、素敵な部屋になる。千歳はそう確信した。