そのあとのことを、千歳はよく覚えていない。
あちこちをめちゃくちゃに歩き回って、足が痛くなり動けなくなった頃、ファミレスに入ってやけ食いをした。それから行き先も決めずに電車に乗って終点で降り、まためちゃくちゃに歩いた。
もうなにも考えたくなかったのだ。
気づいたら夜の公園のベンチに座って、コンビニで買った缶ビールを飲んでいた。体がずっしりと重くて、頭だけがふわふわする。おかしな気分だ。
「……こんなところで、なにやってんだろ、私」
飲み終わった缶ビールをぐしゃりとつぶし、コンビニの袋に押し込む。中にはつぶれた空き缶が五缶も入っている。お酒なんか好きではなかった千歳が、こんなにビールを飲んだのは生まれてはじめてだった。
ぐったりと、ベンチの背にもたれる。
公園をぐるりと囲んでいる桜の木。青白い街灯の灯りが、満開の花を照らしている。
そういえば誠也に告白されたのも、こんな桜の季節だったなぁ……大学の満開の桜の下で、誠也から「付き合ってほしい」って言われて……あの時は、なんだか夢を見ているような気分で……
誠也のことを考えたくないのに、気づけば考えている自分に腹が立つ。
あちこちをめちゃくちゃに歩き回って、足が痛くなり動けなくなった頃、ファミレスに入ってやけ食いをした。それから行き先も決めずに電車に乗って終点で降り、まためちゃくちゃに歩いた。
もうなにも考えたくなかったのだ。
気づいたら夜の公園のベンチに座って、コンビニで買った缶ビールを飲んでいた。体がずっしりと重くて、頭だけがふわふわする。おかしな気分だ。
「……こんなところで、なにやってんだろ、私」
飲み終わった缶ビールをぐしゃりとつぶし、コンビニの袋に押し込む。中にはつぶれた空き缶が五缶も入っている。お酒なんか好きではなかった千歳が、こんなにビールを飲んだのは生まれてはじめてだった。
ぐったりと、ベンチの背にもたれる。
公園をぐるりと囲んでいる桜の木。青白い街灯の灯りが、満開の花を照らしている。
そういえば誠也に告白されたのも、こんな桜の季節だったなぁ……大学の満開の桜の下で、誠也から「付き合ってほしい」って言われて……あの時は、なんだか夢を見ているような気分で……
誠也のことを考えたくないのに、気づけば考えている自分に腹が立つ。



