「お前の出番だ。来い」
ソファに座る事もなく、控え室の窓から外を眺めていたフィナンに出し抜けに声が掛けられた。
「おどおどするな。打ち合わせ通りにやれ」
検察官補の若い男が厳しい声で、顎をしゃくった。
昨夜は遅くまでこの検察官補と検察官の2人に、徹底的に法廷での段取りを叩き込まれた。証人とは言っても、フィナンシェに発言の自由などない。全ては検察側のシナリオ通りに進められる出し物だった。
「ウィル様……今、お助け致します……」
フィナンシェは扉から顔を覗かせた男に聞こえないようにそっと呟いた。そして姿勢を正すと法廷へと続く扉を潜って行った。
ソファに座る事もなく、控え室の窓から外を眺めていたフィナンに出し抜けに声が掛けられた。
「おどおどするな。打ち合わせ通りにやれ」
検察官補の若い男が厳しい声で、顎をしゃくった。
昨夜は遅くまでこの検察官補と検察官の2人に、徹底的に法廷での段取りを叩き込まれた。証人とは言っても、フィナンシェに発言の自由などない。全ては検察側のシナリオ通りに進められる出し物だった。
「ウィル様……今、お助け致します……」
フィナンシェは扉から顔を覗かせた男に聞こえないようにそっと呟いた。そして姿勢を正すと法廷へと続く扉を潜って行った。



