フィナンシェは服の中に隠した、例の小袋に両手を当てた。
「やらなくてはならない……どんな犠牲を払ってでも……」
寝台の側のサイドテーブルの引き出しから赤い紙を取り出す。それは8㎝角の正方形で水を弾く油紙だった。その紙を指先よりももっと小さく折り畳むと部屋の隅の鳥籠に向かう。
雪のように冷たく輝く鳩を見つめると、鳥籠の戸を開け、鳩の左足に付いた金属の小さな筒に赤い紙を押し込む。
「やらなくてはならない……どんな犠牲を払ってでも……」
寝台の側のサイドテーブルの引き出しから赤い紙を取り出す。それは8㎝角の正方形で水を弾く油紙だった。その紙を指先よりももっと小さく折り畳むと部屋の隅の鳥籠に向かう。
雪のように冷たく輝く鳩を見つめると、鳥籠の戸を開け、鳩の左足に付いた金属の小さな筒に赤い紙を押し込む。



