ベルベットの騎士

「残念だったな坊主!お前の企みもここまでだ!その女が妙な仏心を起こして、お前の味方をしないように俺様が見張ってたんだが、お前も実はその女にずっと監視されてたって訳さ!!」
「ええ?そんなの嘘だよ!信じられるもんか!一体誰がそんな命令をおじさんにしたっていうのさ?」
「そりゃ、もちろん」
コックは今にも泣き出しそうなウィルの顔を見て、歪んだ優越感に浸った。その結果、ウィルの目論見通り、口を滑らせる寸前だったのだか。
「ご無事ですか、若様!?」
コックは黒幕の名前を白状する暇もなく、背後から世話役に棍棒で殴られ、ぶっ倒れてしまった。