フィナンはもうダメだ、と肩を落とす。このコックは何もかもしゃべってしまう。私が侍女様から命じられた計画も、何もかも……。だが、これで良かったのだとも思う。私の正体が露見すれば、私はこの方を裏切らずに済む。侍女様にしくじった私は殺されるだろうが、私がこの方を陥れるより遥かにマシだ。
フィナンは今、不思議な安堵感に包まれていた。それも皆、この方のおかげなのか──
フィナンシェは自分の数倍は在ろうかという、太った大男にも毅然とした態度をとるウィルを、尊敬の眼差しで見つめていた。
フィナンは今、不思議な安堵感に包まれていた。それも皆、この方のおかげなのか──
フィナンシェは自分の数倍は在ろうかという、太った大男にも毅然とした態度をとるウィルを、尊敬の眼差しで見つめていた。



