ベルベットの騎士

すでに廊下の壁はあちこちが燃え上がり、この建物が燃え落ちるのも時間の問題だった。
「自分が喜ぶために……ただそんな事の為に……神様は麻の奴隷を作り、私を……こんなに苦しめ……」
フィナンは怒りとも嘆きともつかない、激しい絶望感に打ちひしがれた。それは信じていた何かに裏切られた絶望でもあった。
「ああ、君の言う通りだよフィナン。僕ら3人の神の子らが地上に降り立った瞬間から、神の茶番劇の幕は上がったんだ。全ては神の企て。僕ら3騎士は最初からゲームの駒だったんだ。それを確信したのはここで、ヨハンをこの眼で見てからだけどね。でも、心配しないでフィナンシェ。これ以上の神の暴挙は許さない。必ず止める。まずはこの国に散らばった、絹の騎士・ヨハンを全て一掃してからね」