ベルベットの騎士

「何でしょう?地震かしら」

「アドイス合衆国の進攻が始まったようだ。“空飛ぶ家”が来たんだよ。この最高特別法廷は王宮内にあるからね。火の手は王宮の他の建物にも燃え広がっている。さあ、そろそろここから出よう。空爆が始まる」
ウィルは彼女の手を引いて外へと走り出した。フエゴもウィルの肩から飛び立つと、羽ばたきながら2人の後を追う。
「ですが、あの国王様は影武者だったのでしょう?本物や他の沢山の影武者はどうなるのでしょう?」
「用意周到な絹の騎士の事だ。内乱や戦争に備えて、王国全土に“自分達”をばらまいているだろう。あの『43』は起爆剤で一時的に身体能力を向上させていたからね。他の影武者も知力と体力が衰えた者が大半だろう。それではとても一国を統治できない。どこかに彼ら影武者を統率する存在がいるはずだ」