ベルベットの騎士

「あの、ウィル様は本当にベルベットの騎士様なのでしょう……?それなら、王様と同じように材料が必要なのですか?もしそうなら、私の身体をお使いください。貴方が生き続けるために不可欠ならば、私は構いません」

フィナンシェは思い詰めた様子でウィルに訴えたが、それに反して彼はにこやかに応じた。

「そんな心配は不要だよ、フィナン。言っただろう?同一個体で千年以上生き続けようとする発想自体がそもそも間違いなんだ。僕は自然に人との間に子供を作り、ベルベットの騎士の子孫の身体に過去の記憶と人格を移し替えているだけなんだ。だから今のこの身体も、年老いていずれは死ぬ。それでも、何世代にも渡って記憶を引き継いで行くから、どうしても古い記憶のいくつかは失なわれて行く。そんな時は」
「おいらの出番さ!」
説明するウィルの肩に、フエゴがピョンと飛び乗った。